神宮寺真琴のつぶやき~TBossのブログ~

ヒロインアクションの考察から、インディーズムービー・劇場映画の話題まで

野平ゆきと「87分署シリーズ」

 ポッチャリした美形の“昭和女優”として、そして出演ドラマの関係で、前述の服部妙子と何となくイメージが重なるのが「野平ゆき」という女優。何故彼女の印象が深いか、というと、とあるドラマにおけるキャラクターが強烈だったからだ。

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 彼女はかつて1980年に放映されていた『87分署シリーズ・裸の街』の第11話「命、果てるまで」にゲスト主演してるんだけれど、その役柄は「ストーカーの医者に拉致監禁された結婚式直前の刑事の新妻」というとんでもないキャラだった。今ほどストーカーが社会問題になる前だったので、何とも強烈な印象を覚えたものだった。もっともこの回は、このシリーズの元ネタであるエドマクベインの「87分署シリーズ」の中にきちんと原作があり、「刑事コロンボ」でも同じ原作で制作された回がある。

 この劇中、とりわけ衝撃的だったシーンは、医者のの自宅に監禁された(確か包帯のような紐で手術台に拘束されていたと記憶している)野平が、その留守中に何とか縛めを解き、出口を探して家内をさまよううちに、ふと入り込んでしまった薄暗い部屋の灯をつけると、彼女を盗み撮りした大小様々な写真が部屋中に所狭しと貼り付けられていた、という場面で、あまりにも気色悪かったのを覚えている。ただテーマの割には、エロスやバイオレンスのシーンは殆どなく、ただただ野平ゆきがひたすら拘束され続ける、という趣だった。結局彼女は“無傷”まま、件の“夫”刑事等に無事救い出されるし。その点では『犯される』の服部妙子よりは随分救われた存在だった。

 ちなみにこの野平ゆき嬢は、東映のズベ公映画や怪談もの、またにっかつ作品で活躍した筋金入りの“肉体派女優”で、かの「江戸川乱歩の美女シリーズ」でも、専ら“午後10時直前にいきなり全裸でシャワーを浴び、犯人に殺害される”系のキャラを何度も演じていた。そう思うと、『犯される』こそ野平ゆきで、そして「命、果てるまで」こそ服部妙子が演じたならば、何となくしっくり来たんじゃないか、って今更ながら思う(;^_^A