神宮寺真琴のつぶやき~TBossのブログ~

ヒロインアクションの考察から、インディーズムービー・劇場映画の話題まで

「人間発電所」~昭和のインパクト~

 試合前の花束贈呈、60分3本勝負、立会人のロード・ブレアーズPWF会長、紙テープに混じって投げ込まれるトイレットペーパー、NWAとAWA……どれも20世紀の全日本プロレスを連想させるものばかりだ。そこには昭和の残滓が感じられる。

 ここ最近は、日テレジータスの「プロレスクラシック」を愉しみに観ているが、上記の“アイテム”の他にも、まさに昭和を感じさせる数多の懐かしいレスラーたちが、百花繚乱のごとく登場する。ジャイアント馬場ジャンボ鶴田は言うに及ばす、まだ脂が乗り切っていたドりー・テリーのザ・ファンクス、TJシンと上田馬之助の極悪コンビに、アブドラ・ザ・ブッチャーザ・シーク、ブロディとスヌーカのタッグ、ディックスレーター、ジャック・ブリスコ、リッキー・スティムボート、大木金太郎、そして往年のディック・ブルーザー、ボボ・ブラジルなんてビックネームが惜しみなく登場する。その頃の世界チャンピオンといえば、NWAのハーリー・レイスにAWAのニック・ボックウィンクル(後にリック・フレアーとバーン・ガニアに変遷)だった。日本陣営も、懐かしのグレート小鹿大熊元司ロッキー羽田マイティ井上から、後の全日プロ…否、日本プロレス界を支える、若き日の天竜源一郎、大仁田厚にいたるまで、後を考えたら信じられない豪華ぶりだ。まさにプロレスを何の疑いもなく楽しめた、古き良き時代だ
 そんな中、ネーミング・ニックネーム共に圧倒的な「昭和のインパクト」を与えてくれるのは、何と言っても「人間発電所ブルーノ・サンマルチノをおいて他にないだろう。コテコテのイタリア人を彷彿させる名前もさることながら、それ以上に「人間発電所」という愛称は、他の追随を許さないド迫力ぶりと言える。かつて、全く関係のない酒の名前にまで「電気ブラン」と命名される(命名の理由は電気のように強い酒という意味で)くらい、「電気」というものが万能であるかのごとくもてはやされていたようだが、それ故、その電気を生み出す「発電所」の計り知れないパワーを、人になぞらえたこの「人間発電所」という言葉は、サンマルチノガが如何に無尽蔵のパワーとスタミナを誇っていたか、一発で分かる素晴らしいニックネームだ。

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 そんなブルーノ・サンマルチノを、今回の「プロレスクラシッック」で初めて観る機会に恵まれた。今まではそのニックネームから勝手にイメージを膨らませてきたが、実際にその姿を見ると、ジャイアント馬場と並ぶと多少見劣りする背丈ながら、分厚い胸板といい二の腕といい、全身をはち切れんばかりの筋肉の“鎧”に包んだ、まさに「人間発電所」の名に恥じない、豪快すぎる肉体だった。しかもこの回の放送は、全日本プロレスが10周年を迎えた1981の試合で、その時点でサンマルチノは引退を発表していて、何と彼の事実上の引退試合だったことを考えると、その肉体美は脅威と言うしかない。試合は生憎両者リングアウトの裁定で、残念ながら引退試合を飾ることが出来なかった(それにしてもなんでそんな“アングル”にしたんだろう?)が、その勇姿を拝めただけで、胸も心も一杯になった(^^)
 
 ところでこの「プロレスクラシック」、番組そのものは再放送らしいが、そもそも本放送自体観ていないので、どれもどれも新鮮だ。まだ録画しただけで未見のものも合わせると、当分の間楽しめそうだ(^^)