神宮寺真琴のつぶやき~TBossのブログ~

ヒロインアクションの考察から、インディーズムービー・劇場映画の話題まで

この問題、矛先はどっちだ?

 韓国のアイドルグループのメンバーが「原爆Tシャツ」を着用したことが話題、というか問題になっている。

「「防弾少年団」の原爆Tシャツ問題で、デザイナーが謝罪」

 この見出しを額面通りに読めば、被爆地・広島の人間として絶対に許し難い事態である。まさに“タブー”を土足で荒らされたような憤りを覚える。しかしながら、このTシャツは、どこぞが販売している、キノコ雲をマックのドナルドのような道化の顔に模している悪質なものか、といえば、そのようなものではなく、とどのつまり、原爆投下によって大日本帝国が敗北し、その結果朝鮮半島が解放された、という長い歴史のスパンの中で象徴的に広島のキノコ雲の画像が利用されていたということらしい。そのような形で原爆投下を肯定されるのは、正直言って耐え難いし、「もしそう思うのならば、非戦闘員の市民が無惨に虐殺された『グラウンドゼロ』を見に来い!」って思いに駈られるけど、実際そういう考えを相手に持たせるくらい、日本が戦前戦中に朝鮮半島で行った、「創氏改名」に代表される、アインデンティティを奪うような植民地政策(それ故、日本統治が朝鮮半島の発展に寄与したなんて詭弁が空しくなる)は、相手にとっては許し難い行為であったことを痛感させられる。

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 戦争は明らかに、起こした奴と続ける奴が悪い。そして国民は何処の国でも常に被害者だ。アウシュビッツの惨劇も南京大虐殺七三一部隊の暗躍も、そしてヒロシマナガサキの原爆禍も。それ故、本来ならば世界の戦争被害者は等しく手を取って、その事態に陥れた世の為政者たちに立ち向かっていかなければならない。しかし、なかなかそれも叶わず、結局戦争被害者同士が“内ゲバ”を繰り返すしかない。それが現状だし、今回の原爆Tシャツの一件も、お互いの国の人民の思い方を理解しないと、単なる水掛け論になってしまう。それこそ為政者の思うつぼなのである。

 日本の国土でひどい惨禍に遭った者もいれば、そうして日本が敗戦しなければ、自国を文化をアイデンティティを取り戻せなかった者もいる。だからといって、原爆を肯定する気などサラサラないが、大切なのは、その矛先を何処に向けるか、ということ。

 そんなことを思ったのは、日頃から、被爆者を中心とし核廃絶を訴える市民運動を「サヨク」と責め立てる癖に、こんな時にはここぞとばかり「原爆にあった日本人よ怒れ!」と焚きつける、無節操極まりない、拝米売国奴といっていい百田某と、それを垂れ流す右翼メディア・虎ノ門ニュースに心から憤りを覚えたからだ。お前達に原爆を語る資格はない。まさにこんな輩がいるからこそ「過ちは 繰返しませぬから」と原爆慰霊碑の碑文に記さなければならないのだ。そして、こんな輩がのさばる昨今は、まさに「過ち」を「繰返」そうな状況に陥っているといえる。


防弾少年団」の原爆Tシャツ問題で、デザイナーが謝罪 「Mステ出演取消し、申し訳ない…反日助長の意図はない」

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 韓国アイドルグループ「防弾少年団」のJIMIN(ジミン、23)が原爆Tシャツを着用し波紋を広げ、結局「ミュージックステーション」出演取りやめに発展した騒動で、該当Tシャツを手掛けたデザイナーが謝罪した。

 TシャツのデザイナーであるLJカンパニーのイ・グァンジェ代表は、韓国メディアの取材に応じ「反日感情と日本に対する報復などの意図があるわけではなかった」と明かした。

 また「ブランドをスタートさせた当時、ストリートファッションが流行していた。そのとき、私自らが歴史に関心を向けており、若者たちが着るファッションに歴史意識を込めれば、少しでも歴史に興味をもってもらえるのでは、と考えて(Tシャツ)をつくった」と経緯を説明。

 イ代表は、問題となった原爆の写真について「その部分は、日本をばかにするような気持ちはなかった。原爆が投下され、日本が無条件降伏したために、韓国は解放されたという歴史の順序を表現するものだった」と伝えた。

 さらに、JIMINが着用して日本で物議を醸し、「防弾少年団」が日本の音楽番組「ミュージックステーション」への出演が取り消しとなったことについて「昨日その事実を知り、とても動揺し、申し訳なく思っている。反日感情を助長しようとする意図はなく、その点でも防弾少年団に対して申し訳ない」と心境を明かした。