神宮寺真琴のつぶやき~TBossのブログ~

ヒロインアクションの考察から、インディーズムービー・劇場映画の話題まで

甦る昭和の「土曜8時」

 今月からが観られるようになったCSの「日テレジータス」で、今大変楽しみにしているのが「プロレスクラシック」。かつて日テレが土曜8時のゴールデンタイムに放映していた「全日本プロレス中継」のオイシイところをダイジェストにして放映している番組だ。

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 そもそも日テレは、力道山時代の日本プロレスを金曜8時に放映していた。しかし後発のNET(現テレ朝)が日プロ中継に強引に割り込み、それに対して日テレは「馬場・坂口は出演させない」「ワールドリーグ戦は放映させない」という条件を日プロを通してNETに通達、同プロレス団体で民放2局がシノギを削るという、今思ってもあり得ないことが現実に起こっていた。仕方なくNETは猪木中心の番組づくりをしたものの、肝心の猪木がクーデター騒動で日プロを追放されてから、その雲行きは怪しくなる。

 団体の都合で番組のエースを失ったNETは激怒し、馬場の出演を強引に日プロに納得させる。そして遂に馬場がNETの電波に乗った瞬間、日テレは即座に日プロ中継から撤退。そして馬場を焚きつけて作らせた新団体が、この全日本プロレスである。馬場も猪木も失った日プロに危機感を抱いたNETは、密かに日プロと、猪木がノーTVのまま立ち上げた新日本プロレスを合併させて視聴率のUPを狙ったが、選手会長大木金太郎(キムイル)の思いがけない抵抗に遭い、合併話はあえなく頓挫。そんな日プロに愛想を尽かしたNETから、中継契約を解除された日プロは、結局翌年度5月を待たずに活動停止の憂き目にあった。

 さて、件の全日本プロレス中継は、日テレ撤退後、金曜8時に放映時間を鞍替えしたNETの日プロ中継「ワールドプロレスリング」に対抗するかのように、土曜の8時に決定、以後プロレスブームが去り、一旦ゴールデンタイムから放映時間が移行するまで、この時間帯に放映されていた……ふぅ、やっと「土曜8時」までたどり着いたよ(;^_^A

 小学生時代から、当時の数多の少年と同様、プロレスに興味を持っていた私だったが、観るのは専ら猪木の方の「ワールドプロレスリング」だった。勿論馬場が登場する「全日本プロレス中継」にも興味はあったが、如何せん、この「土曜8時」というのが曲者で、当時のこの時間帯はTBSの「8時だョ全員集合!」、NET&毎日放送(当時の“腸捻転”状態でキー局と関西圏局がねじれていた)は「人造人間キカイダー」「キカイダー01」の8時台東映特撮と、8時半台のアニメ「デビルマン」「ミクロイドS」「キューティハニー」という“お子様ゴールデンタイム”が文字通り、「子供相手」にシノギを削る“激戦区”で、とてもプロレスを観るような余裕はなかった。ようやく観戦できるようになったのは中学生になってからだ。

 そんなわけで、全日プロが旗揚げした1972年から75年辺りまでの間は、私にとって“空白の時代”なんだけど、今回の「プロレスクラシック」はその空白部分辺りの試合も放映していて、今まで、今は亡き週刊ゴングのムック本でしか知らなかった時代の試合を追体験できるのがいい。とりわけ、自分にとっては謎の多かった、全日初期の若手のホープサムソン・クツワダ」を今回初めて観ることが出来たのは大きい(;^_^A

 他にも、全然知らなかった試合から、「もしかしたらリアルタイムで観てたかも知れない」ような試合まで、本当に胸を時めかせた“昭和”の伊吹を感じさせる試合ばかりで、プロレスを通しての当時の世相を追体験しているような心地よささえ味あわせてくれる。その録画中継を観ているだけで、当時にタイムスリップしたかのような心地良い気分を感じさせてくれる。

 今は雰囲気だけで胸がいっぱいなんだけれど、これからもっともっと楽しんでいきたいと思っている。