神宮寺真琴のつぶやき~TBossのブログ~

ヒロインアクションの考察から、インディーズムービー・劇場映画の話題まで

実際に戦地に赴くのは誰?

 東映映画『あゝ決戦航空隊』(山田耕作監督)では、鶴田浩二演じる、神風特別攻撃隊創始者といわれる大西瀧治郎旧日本海軍中将の半生が描かれているが、ここでは、如何に悪化した戦局の打開とはいえ、若き海軍パイロットに敵への体当たり攻撃を「作戦」として上申する場面が描かれている。そして彼は特攻を指示しながら、結局自ら体当たりすることなく、敗戦の翌日、日本で自害する。

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 いつの時代も、戦争を命令するのは決して戦場に赴いて自ら戦うことのない年寄りで、その口車によって戦うのは、決して人殺しなどしたくもない、戦場で戦いたくもない若者ばかりだ。年寄りにとって若者は「道具」だ。それも純粋な「道具」だ。そして「いや」といえないのがこの日本という「ムラ」社会の島国だ。

 イスラムではジパード(聖戦)といって若者に自爆テロをさせる。確かにテロは宣戦布告から始まる戦争とは違うかも知れないけれど、彼らからすれば戦争である。だから、太平洋戦争における日本軍の特攻も、世界から見れば強引な自爆テロに過ぎない。よく特攻隊員を英霊と日本は祭り上げるが、本当な、彼らの怒りの矛先は、理不尽な作戦・及び詰め腹を切らされるような「志願」を強要した日本国及び当時の日本国政府に向けられるべきで、それを「靖国で軍神」と祭り上げ、彼らの志を邪な方の愛国心に利用されるのはあまりも酷い話だと思う。

 いつの世も戦争は年寄りが始めて若者が死んでいく。その事を肝に銘じて、バカが戦争を賛美するぐらい「平和ボケ」に陥ったこの国でも常に目を光らせておかないと、また敗戦直後に自害した阿南陸軍大臣が「二度と日本人がこんな惨めな思いをしなくて済むように」と案じた日本の行く末が、とんでもないことになってしまう。

 2018年8月15日………。