神宮寺真琴のつぶやき~TBossのブログ~

ヒロインアクションの考察から、インディーズムービー・劇場映画の話題まで

日本が敗戦で得たもの

 太平洋戦争に詳しければ、この5月27日が、日本にとって何とも忌まわしい、それこそアメリカにおける12月8日(7日)に匹敵する“ターニングポイント”だった日であることがわかるだろう。今から79年前のこの日、日本海軍はミッドウェイ海戦において、空母4隻を失う壊滅的損害を受け、以後戦局は悪化の一途をたどっていく。極論を言えば、この海戦で勝利したならば、広島や長崎に原爆が投下されるような事態は防げたかもしれない。しかし日本はずっと非民主主義国家として継続していたかもしれない。

 

 昨年も新作が公開されたが、ハリウッド(メジャー)では、過去2度にわたって、この「ミッドウェイ海戦」が映画化されている。1977年公開の『ミッドウェイ』は、特撮シーンを東宝映画の『太平洋の嵐』から拝借するお粗末さであったが、最新作は、昨今のCG技術を駆使して、迫真の戦闘シーンを描いていたらしい。この“らしい”ってのは、『タイタニック』が結局沈没してしまう悲劇を知っていたから敢えて観に行かなかったと同様、どう転んでも日本海軍の敗北という事実には抗えないから、観るのをためらったということに他ならない。

 

 

 もっとも、上記の“民主主義”に関わる記述にもあるように、日本の敗戦なくして今日の状況はありえなかった、って考えると複雑な思いになる。

 

 それ故、戦前の全体主義というか、国民の感情を全く無視で“インパール作戦”の如き、甚大なリスクを伴う五輪を、己の利権のみで開催に向けて突き進む現政権の危うさを見ると、ミッドウェイの敗戦が導いた唯一の取りえが、失われそうに思えてならない……