神宮寺真琴のつぶやき~TBossのブログ~

ヒロインアクションの考察から、インディーズムービー・劇場映画の話題まで

非情のダーティハリー~ロケ地の“当意即妙”~

 過日『ダーティハリー』の「2」「3」を立て続けにテレビ鑑賞。本当は無差別殺人鬼スコルピオのネチッこいド悪党ぶりが秀逸な第一作がお気に入りなんだけれど、テレビをつけた時点ではもう終わっていたようで、続編の観賞と相成った。

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 今改めて思うのは、どの作品も諸悪の根源はハリー・キャラバン刑事によって駆逐され、一応のハッピーエンド・大団円を迎えるんだけれど、全編、まっとうな考えを持つ彼がどうしても「ダーティー」と呼ばれ、なかなか皆から理解されないもぞかしさがつきまとい、且つ理解者である有能な同僚が命を失う(とりわけ、「3」における女刑事ケイトの死は傷ましい……)という設定が、思ったほどスカッとしない要因だったりする。もっとも悪党に対する非情ぶりは素晴らしく、それまでの鬱憤を吹き飛ばすかのような、情け容赦ない殺戮方法(「1」では44マグナムで撃ち殺し、「2」では撲殺、転落死、爆殺、「3」ではバズーカで吹っ飛ばす!)も秀逸で、そこら辺は他の類似した作品にはない爽快さだ(;^_^A

 ところで、「2」のラストでは、“暗殺団”の白バイ警官たちとハリーとの死闘が描かれているが、今回観賞して、その舞台が航空母艦の甲板だったのには驚いた。どうも退役した小型空母のようだが、数隻停泊したその空母の甲板を、ハリーの白バイと暗殺団の白バイとがなんども飛び越えるシーンは、実に迫力があり、思いがけなく楽しめた。

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 後で調べてみると、そのシーンに出てきた空母の名は護衛空母のシボニーなんだそうで、太平洋戦争末期に建造されながら、終戦まで間に合わず、その後1970年の退役まで、朝鮮戦争従軍などで活動したようだ。また当初の予定では。「2」のラストはここでの撮影ではなかったものの、撮影期間中にまだ本艦が解体されていなかったため、急遽ロケ地になったのだそうだ。その偶然に近いタイミングのおかげで、あんなダイナミックなクライマックスになったことは特筆すべきであろう(;^_^A

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 ロケ地ってとても大事だし、その時々に当意即妙で決めていくことも大切であると、この作品のロケは教えてくれているようだ(^^)