神宮寺真琴のつぶやき~TBossのブログ~

ヒロインアクションの考察から、インディーズムービー・劇場映画の話題まで

『CUTIE HONEY -TEARS-』~「キューティハニー」の“換骨奪胎”~

 ヒロインアクションファンにとって「キューティハニー」は特別な存在。それ故常に「実写映画」を望みつつ、かつては実車特撮技術がとてもアニメの自由な作風に追いつかないと諦め、昨今CG特撮技術の飛躍的発展にあってもなかなかアニメの「如月ハニー」を実際の女優に託しきれない“拘り:もあって、実車可能な現在においても複雑な存在である。今までは、庵野秀明監督・佐藤江梨子主演の映画『キューティハニー』と、テレビ東京で放映された原幹恵主演のドラマ『キューティハニー THE LIVE』で“実写化”されたが、どちらも期待に違わぬ作品だったとは言い難いのが本心である(強いて言えば原幹恵嬢のハニーはなかなかだったけど……(;^_^A)

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 そんな中、歌手・モデルも務める西内まりやなる女優で再映画化されたことを知ったが、ネット上を飛び交うネガティブな噂に臆してしまって、今まで観るのをためらっていた。そんな中、このゴールデンウィークの夜に思い切ってDVD観賞下のだけれど……予想に反してなかなか楽しめる作品に仕上がっていたよ(;^_^A

 何といっても、西内まりやの“キューティハニー”ぶりが良かった。かの黒を基調にしたコスチュームも、観る前は「こんなのハニーじゃねぇ」なんて息巻いていたけど、なかなかどうして、キャットスーツを思わせるセクシーさが別の意味で似合っていたと思う。それに、彼女が“孤軍奮闘”といっていいぐらいの“完全無欠”ぶりで、並みいる敵の雑魚キャラを“ちぎっては投げちぎっては投げ”と一蹴する姿は惚れ惚れしたね(^^)  まさにアクションヒロインの王道を征く暴れっぷりだったよ(;^_^A

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 彼女と同じアンドロイドの敵役・ジル(石田ニコル)のクールビューティぶりもよく、“お約束”のようにラストバトルはピンチに次ぐピンチ、それでいて間一髪に勝利する。ここでハニーこと如月瞳が吐く「不完全だから強いんだ」という説得力皆無の意味不明な叫びも、この展開ならば取り合えず許してしまう(;^_^A そんなクライマックスだったよ。

 ただし、この物語を敢えて近未来に設定した意図は図りかねる(ていうか、個人的に「近未来」な設定は嫌いなもんで……(;^_^A)。世界観はモロ『ブレードランナー』だったし……(;^_^A そのせいで、中盤以降のストーリーが今ひとつ掴みきれなかった。まあ、一応“勧善懲悪”“予定調和”の王道展開だったから良かったけど(;^_^A ラストも空中元素固定装置が作動して、如月瞳の“再生"を予感させてくれていたし……

 それにしてもこの作品、世界観は原作と比べかなり突飛なものになっていて、往年のファンにとっては受け入れられない展開なのかも知れないが、その実、「早見」「如月博士」「ジル」など、原作にゆかりのネーミングが登場するのも特徴である。そこで思ったのは、この作品は『キューティハニー』の映画化ではなく、飽くまで「換骨奪胎」した作品と認識すべきではないか、との考え。そう思えば、“キューティハニー”を題材に自由な映画を撮ったのが、この『CUTIE HONEY -TEARS-』だったと言うわけだ。確かにこの映画には「キューティハニー」というファッションショーでのかけ声はあるものの、「如月ハニー」は登場しないわけだし。

 もっとも、この手のリメイクには、往年のオリジナルを知る者の「ガチリメイク」期待があるわけだから、そこら辺をもう少し作り手は汲んで、これからも実写リメイク作品を撮り続けてほしいね(;^_^A

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 そう言えば、ジル役の石田ニコルって娘、長崎県出身で山口県岩国市育ち、しかも5歳まで子役モデルとして広島で活躍していたとのこと……思いがけないところで、郷土と繋がってきたよ(;^_^A