神宮寺真琴のつぶやき~TBossのブログ~

ヒロインアクションの考察から、インディーズムービー・劇場映画の話題まで

『キューティーハニー』を遂に観た!!

 一昨日、遂にというか、今更ながらというか、CSで実写版ムービー『キューティーハニー』を観賞した。公開が2004年だから、かれこれ12年前の作品になる。劇中、ハニーと“タッグを組む”秋夏子の部下役に、今をときめく(そして『アウトエイジビヨンド』では哀れバッティングマシーンの剛球の餌食となる)加瀬亮が演じているのは、今となっては“御愛嬌”だが……(;^_^A

 ところで本作、生粋の“ヒロインアクションムービー”の企画ながら、庵野秀明監督作品ということで、“変化球投げまくり”のマニアックな迷作に仕上がっているのでは、との危惧から、今までなかなか食指が動かなかったのが実情だった(尤も彼が“巨大ヒーローを演じるダイコン版『帰ってきたウルトラマン』は『愛國戦隊大日本』同様大好きなんだけど……)。しかし、実際観賞してみると、思いがけず“外連味たっぷり”の王道アクションムービーに仕上がっていた。

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 確かに、劇中なかなか載れないシーンもいくつかあった(例えばハニーと夏子が早見の部屋でカラオケに興じるまどろっこしいシーンとか、シスター・ジルを男優が演じているとか、手塚とおるの執事とか……)が、佐藤江梨子のハニーは実にハニー然していたし、そのあっけらかんとしたキャラクターにしても、ほぼ完全無欠だった戦闘能力にしても、ヒロインアクションの名に恥じない素晴らしいもので、明快なストーリー展開の妙もあって、とても面白かった。時代的背景もあろうが、実写特撮で東京タワーをそのまま“ぶっこ抜く”シーンなど、「これぞエンターティナー」と膝を打ちたくなる爽快感があったよ(^^)

 主題歌が連綿と続く「この頃はやりの女の子も~♪」でおなじみのオリジナルソングってのもいいし、出色の挿入歌「夜霧のハニー」の劇中での使われ方もグッドだった。庵野監督がアニメ以前に特撮に造詣が深いのは周知の通りだが、この作品でもアニメの技巧と実写特撮との融合を見事に演出してくれていて、しかもマニアックに走らずエンターティメントに拘ってくれたのは実に嬉しかった(^^)

 ストーリーもオリジナルに忠実で、CG全開の映像ながら、どこかにそこはかとなくオリジナル当時の“昭和”の匂いを感じさせる逸品だった。

 ところで本作は実際には興行的に大コケし、制作会社の「トワーニ」を倒産に追いやったらしいけど……このトワーニって、その僅か4本に満たないフィルモグラフィーのうち『さくや妖怪伝』『天使の牙BTA』そして本作『キューティーハニー』と、3本ものヒロインアクションムービーを撮った会社らしい。それ故もっと頑張って、もっとたくさんのヒロインアクションムービーを制作してほしかったなぁ……(;^_^A