神宮寺真琴のつぶやき~TBossのブログ~

ヒロインアクションの考察から、インディーズムービー・劇場映画の話題まで

『キングスマン』

 洋泉社ムックのとあるヒロインアクション特集本で見た,悪役の秘書兼殺し屋として登場する「ガゼル」(ソフィア・ブテラ)なる両足義足(にして最強の武器)のキャラに強く惹かれて、彼女が登場する映画『キングスマン』を何とかして観たいと、前々から思っていた。そこへ、ゴールデンウィーク最終日の今日、たまたま午後からムービープラス(先日『暗殺』の放映を見逃したチャンネル)で放映されることを知って、ようやく観賞することができた。

 とはいうものの、上記の「ガゼル」の存在と、悪のボスをサミュエル・L・ジャクソン(ホント善悪何でもそつなくこなすフレキシブルな大物俳優!)が演じること以外、何の予備知識も持たずに観賞したんだけれど、なかなかどうして、古き良き王道スパイアクションだったよ(;^_^A

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 「キングスマン」とはかつて高級テイラー(仕立屋)として名をはせ、多くの貴族の御用達だったが、今やそんな常連たちの寄付に支えられて、世界に暗躍する悪やテロリズムと戦う“私立”の諜報機関となった、という設定。かつてそこのエージェント候補生で殉職した父を持つ主人公・エグジータロン・エガートン)が、当時の仲間であったベテランメンバー・ハート(コリン・ファース)にスカウトされて、やがて一人前のエージェントとして成長し、上記のサミュエル・L・ジャクソン演じる狂気の思想に囚われたIT符号・ヴァレンタインの、地球規模のとてつもない人類抹殺計画を阻止するべく活躍するというストーリーだった。前半が主人公の成長物語で後半が陰謀阻止のクライマックス、といういかにもスパイ映画(というか娯楽スペクタクル)の王道を行く展開で、実に楽しめた。

 また主人公たちの会話に何度も往年のスパイ映画の話題が登場し、「昔のスパイ映画ならこうなるが……」云々といった会話が飛び交うモノの、実はこの作品、王道スパイ映画の金字塔「007シリーズ」の、それも20世紀に撮られたショーン・コネリーロジャー・ムーア時代の荒唐無稽さをしっかり踏襲していて、最新のテクノロジー(携帯のSIMを使って人類を互いに殺し合わせる電波を送る等々)を駆使するモノの、物語展開や構成は極めてオーソドックスに作られているのもユニークで、その点も昨今の「007シリーズ」よりも、我々のような世代にとってはむしろグッとくる映画に仕上がっていたと思う。往年の戦争スペクタクル・パニック映画の大御所、マイケル・ケインが「キングスマン」のリーダーという“いかにも”なキャラで登場するの嬉しい。もっとも思いがけない結末を迎えるけど……(;^_^A

 さて、件の「ガゼル」嬢は、冒頭で敏腕エージェントを足技の一刀両断で“脳天唐竹割”するなど鮮烈な登場を果たし、主人公・エグジーとも激しいバトルを演じるなど、期待通りの活躍を見せつけてくれた。惜しむらくは「キングスマン」サイドの紅一点ロキシー(ソフィ・クックソン)との“ヒロイン一騎打ち”を演じてくれたらどれだけ盛り上がったろうか、という点ぐらいかな。

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 このように、期待に違わぬ仕上がりだったこの作品。、実は既に続編も公開されているようで……エグジーがいかなる成長を遂げているか、是非観賞したいものである(;^_^A、