最後に一筋の光明が……
一昨日の4連敗CS敗退で、昨日の広島市内は、すっかりプロ野球が“なかった”ことにでもなったような沈黙の一日だった。だが現金なもので、今日になったら“日本シリーズ”がなかったことになったまま、気分は来年度。職場でもドラフトの話題に終始した。
広島東洋カープは、地元広陵高校のスラッガー・中村奨成捕手の一位指名を早くから宣言していたが、ここに来てドラゴンズの“横やり”が……こんな時って、大抵“横やり”の方がかっさらって行くことが多いもんだが、ここでカープが中村捕手を逃したら、もう完璧に“広島バブル”の終焉。でも結果は、緒方が今シーズン唯一と言っていい“役に立って”、なんとか彼を抽選で射止めた。
本人もカープ球団入団に前向きなようで、来期に向けて、少しは光明が差したんじゃないかって思う。
それにしても、この広陵といい、カープといい、恨めしいぐらいの「おしい広島」が今年ばかりは続いている、そう言えばドラゴンフライズも後一歩で「惜しかった」。その上サンフレッチェが「惜しくも」J2降格となったら、目も当てられない。そういえば、サンフレは天皇杯では常連の「準決勝チーム」だし……どん底に弱いのも寂しいが、すんでのところで栄冠を逃すもの、かなり答えるモンだ(;^_^A
カープにしてもサンフレにしても広陵にしても、なまじ栄光の味をファンとして知ってしまったからには、なんとか来年の飛躍とリベンジを大いに期待してしまう……おっと、サンフレはまだまだ終わっていないぞ!ヾ(--;)
運命の瞬間を待っていた記者会見場。広島の緒方監督が当たりくじを手に喜ぶ姿をテレビで見ても、中村は表情をほとんど変えなかった。
「にやけたかったけど、満足していると思われちゃいけないので。カープでプレーできたらという思いがあった」。広島県廿日市市出身。子どもの頃から身近に感じ、事前に1位指名を公言してくれた広島に引き当てられた喜びは格別だった。
今夏の甲子園で6本塁打を放ち、1大会最多記録を更新した。広陵高で指導してきた中井監督は、打撃以上に捕手として「肩が強い。フットワークがいい。捕ってから(送球までが)速い。コントロールがいい」と教え子の長所を挙げた。中村自身も「まずは守りでどんどんアピールしたい」。
広島は豊富な練習量で育てることに定評があり、今年は1、2軍がそろってリーグ制覇。走塁への意識も高い。「走ることにも自信を持っている。カープは自分に合うスタイルかなと思う」と中村。将来的には「(トリプル3を)狙いたいですね」と夢を膨らませた。