神宮寺真琴のつぶやき~TBossのブログ~

ヒロインアクションの考察から、インディーズムービー・劇場映画の話題まで

「東映まんがまつり」の心意気

 「東宝チャンピオンまつり」と並び、昭和40~50年代を牽引し、子供たちのハートをわしづかみにしたイベント、第一期「東映まんがまつり」。当時小学生で、今は亡き広島東映に何度も足繁く通い、観賞したものだった。その目玉は何といっても、石森特撮ヒーローのスペシャル映画と、永井豪ロボットアニメヒーローのネット局を超えた競演に尽きる。仮面ライダー歴代ヒーローに映画専用の強力怪人(改造人間)が絡んだ特番映画も楽しかったが、何といっても、それそれ冠のタイトルを持つ「マジンガーZ」「グレートマジンガー」「ゲッターロボ」「ゲッターロボG」「デビルマン」「グレンダイザー」が、同じく東映お家芸と言っていい「極道vsまむし」「極道vs不良番長」よろしく“VS”するのが、劇場映画ならでは実にうれしかった。中でも日テレの「マジンガーZ」とNETの「デビルマン」という、TVで競演させることは当時は不可能だった両ヒーローを映画の世界で競演させるシチュエーションの『マジンガーZデビルマン』が一番も素敵だったな、って思う(;^_^A

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 この映画は、空を飛べないという弱点を持つマジンガーZが、ピンチにつぐピンチの果てに、ついに「ジェットスクランダー」という“翼”を手に入れる課程を、デビルマンとの確執と協調というプロセスを経て描く秀作だが、実際のTV版では別のシチュエーションでマジンガーZがジェットスクランダーを手に入れるストーリーがあって、まさに映画とテレビで“パラレルワールド”の様相を呈している。同じことが、次の「東映まんがまつり」における『マジンガーZ対暗黒大将軍』でも行われていて、ここでも「マジンガーZグレートマジンガー」への移行が、TVと映画とで別のストーリーとなっている。実は両作品とも劇場で観賞した私にとっては、TV版の印象は薄く、映画版のストーリーの方しか覚えていなかったりする(;^_^A

 でもそんなシチュエーションの違いは、東映が映画版に対するしっかりした思い入れがあるからに他ならず、お金を払って映画を鑑賞しに来た子供たちに、いずれTVで放映されるストーリーをなぞる行為を潔しとしなかった真の映画人の心意気を感じ取れて、とても嬉しい。思えば後発の『グレートマジンガーゲッターロボG 空中大激突』においても、「ゲッターロボゲッターロボG」への移行にどうしても描かれてしまうムサシの死が、映画版では突発的事故になっているのに対し、TV版及び原作では、しっかり情念と溜めに満ちたものになっていた。

 いずれTVで放映するモノを前倒ししてお茶を濁すことも、「手間をかけず儲ける」というゲスな発想を持てばありだったのに、こうして手間暇かけて、劇場に来た子供たちの思いに応えようとした当時の東映の心意気に深く感激すると共に、当時リアルに子供だった身として深く感謝したいm(_ _)m

東映まんがまつり史上、個人的には一番すきなエンディング(;^_^A