74年前の5月27日から……

いよいよ今日27日、オバマ米大統領が広島の地に訪れるらしい。奇しくも74年前の今日、1942年5月27日は、太平洋戦争時、ミッドウェイ海戦において日本海軍が主力空母赤城・加賀・飛龍・蒼龍を失うという壊滅的打撃を受け、これを機に日米の戦局が180度転換した運命の日だ。そんな“日本敗戦”への分岐点となった日に、戦勝国アメリカの国家元首が、その破壊兵器によって無差別殺戮をされた地にやってくる、というのは何とも形容のしようがない。
さて、オバマ来広に際し、彼に原爆投下への謝罪を求めない、という声が多くあり、それを以てマスコミは、まるで広島市民の“大人の対応”のように喧伝しているが、滅相もない! と私は思う。ここで彼に謝罪されてしまうと、上から目線で「もう謝ったんだからこれでいいだろう」と手打ちにされるのは目に見えている。それを認めては、もう広島がヒロシマが反核平和の拠点になることは叶わないだろう。
だから今回のオバマ来広は「出来れば行きたくない場所に国家元首として遂に行かざるを得なかった」感を醸し出してもらった方がいい。そして遂に“詰め腹を切らされて”自国が犯した所行を噛みしめさせられる、そして心に重いモノを背負って帰国してもらえたら好いんじゃないかな。だから、オバマには、むしろ謝罪云々より、在広中、ずっと苦虫を噛みつぶしたような憮然とした表情でいてほしいと願う。「被爆地で声高らかに核軍縮を訴えて自らが“レガシー”となる……」そんな自己満足の機会にしては決していけないと思う。