「猛と舞の~♪」の歌が聞こえる 『パシフィック・リム』
日本の怪獣特撮やロボットアニメに造詣が深いと噂のギレルモ・デル・トロ監督が撮った、世に名高い“カイジュウ映画”『パシフィック・リム”をようやくDVDで観賞した。ゴジラ・ウルトラを始め、「怪獣特撮」と共に生きてきた身としては、いつかは越えなければならない壁、と思っていた映画だっただけに、心して観たよ
さて、今更ストーリーをここで紹介するまでもないだろうが、地球侵略の先兵として時空の壁から送りこまれた一連のカイジュウたちと、人類の防衛のために開発されたロボット“イェーガー”たちのとの闘いを壮大なスパンで描いた作品である。荒唐無稽なストーリーを、いくつかのリアリティのある設定や昨今のCG技術を駆使して、決して“お子様向け映画”にしていない点は”実に評価できると思う(「命の壁」という、巨大な防護壁でカイジュウの侵入を防ぐなんて馬鹿馬鹿しい設定も、もし現実にこんな事態が起こったら、世の為政者たちは実際考えるかも知れん……)。
もっとも、そのストーリーは、いささかくどい。人間ドラマももっとシンプルにしてほしかったし(変な葛藤や対立はいらない)、ラストの“特攻”も無用(しかも“特効”した方が助かっただけに、その前に倒されるイェーガーが“無駄死に”)。ここら辺りは実に日本のドラマ的であるが、こんな所まで“日本映画・ドラマ”的に描かなくてもよかったのに、」なんて思ったね。折角ハリウッドのSFスペクタクルなんだから、もっと“ヌケのいい”一直線なストーリーの娯楽作品が観たかったよ
ところで、本作では“ロッテのよし子”こと菊池凛子演じる“イェーガー新米パイロット”森マコが実によかったね ボンテージ系の戦闘スーツに身を包み、男女のペアでカイジュウに立ち向かっていく様は、『ゴジラ×メカゴジラ』の家城茜三尉なみにかっこよかったよ パートナー・ローリーとの出会いのシーンでは、組み手アクションも披露するし……華奢な凛子嬢のアクション、となると、私が大好きな「虫も殺さないような娘に、無理矢理アクションさせる」系ヒロインではないか! そんな意味でも本作はまた“一級のヒロインアクションムービー」ともいえるだろう
それにしてもマコとローリーが脳内を交差させてイェーガーを操る、という設定に、思わず「猛と舞の~♪」「ふたつの心がひとつになれば~♪」の、「マグネロボ ガ・キーン」設定・主題歌歌詞が、まず脳裏をよぎったよ それとも“アイゼンボー”かな?