神宮寺真琴のつぶやき~TBossのブログ~

ヒロインアクションの考察から、インディーズムービー・劇場映画の話題まで

背中の子供たちに

 スポーツ選手は、子供が物心つくまで現役でいたいという。自分がプレーヤーだった証を子供に知ってほしいから。スポーツに限らず、自分の“現役”の姿を子供の記憶に残したい、そんな願望は父親たるもの誰にでもあると思う。特に人生の黄昏時に子宝を授かった私など、その思いはひとしおだ。幸か不幸か、緊急な事態だったため、図らずもこの夏に“父親の表の仕事ぶり”を娘たちに魅せてやることが出来た。後は趣味の映画制作の現場で、娘手地に“映画監督”としての自分を魅せてやりたいものだ。
 
 さて、今日一人の“父親”の訃報を知った。その名は「檀 臣幸」。声優として、また俳優として活躍しながら、昨年10月に若くして亡くなってしまったそうだ。死後すでに半年が過ぎ、今更追悼文? と思われるかも知れないが、この、申し訳ないが今回初めて知ったこの俳優の境遇に、いたく心を打たれてしまったので、敢えて彼に言及する。
 
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 昨今の“平成ライダーシリーズ”は殆ど未見だが、彼はそのうちの「仮面ライダーW」に出演し、井坂深紅郎ことウェザー・ドーパントなるキャラクターを演じたそうだ。
 
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  しかも、彼の実夫人である俳優・魏涼子も同作にゾーン・ドーバントとして出演、夫婦揃って仮面ライダー競演という、我が世代としては“奇跡”のような羨ましい実績を上げている。
 
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 そんな素敵な体験をした年の10月に、彼は急逝してしまう。実は彼は、丁度私の誕生と同じ年度の原爆記念日にこの世に生を受けている“同僚”だ。だからこそ、ライダーに妻と競演できた喜びはとても理解できる。しかも、幼い息子に「ライダーで競演した父母の姿をいつか一緒に観せたい」と生前ブログに書いてあった云々の記事を見て、それより僅か1年前に娘を授かったものとして、非常に親近感を覚えたし、かつ彼の無念さが身にしみて感じられた。そういえば、妻・魏涼子と家内の年齢も近い。決して他人事には思えなかった。遺された妻子のことを考えると胸が傷む。
 
 人生とは永遠ではない。しかし自分一人のものではない。関わる全ての人のものでもある。日頃鬱屈して過食や不規則な生活、深酒に走りがちな我が身だが、自分の背中に抱える者たちのことも考え、自戒していきたいと思った。ほんと真面目な話……