神宮寺真琴のつぶやき~TBossのブログ~

ヒロインアクションの考察から、インディーズムービー・劇場映画の話題まで

漫画界の巨匠が描いた「映画」の夢

 また某検索サイトの受け売りで恐縮だけど……(;^_^A 今日1月25日は、かの漫画界のレジェンド、石森章太郎先生(と敢えて表記する)の誕生日なんだそうだ。

 変な話だけど、失礼ながら私は石森章太郎氏の描いた漫画をそれほど熱心に読んだ記憶は無いんだけれど、何といっても、大好きな70年代系特撮ドラマ(当時はマンガ映画)の殆どに原作者として名を馳せていた、その印象の方が強い。ざっと思い出しても、東映特撮ドラマの新たな黎明であった『仮面ライダー』シリーズを筆頭に、『人造人間キカイダー』『イナズマン』『ロボット刑事』『変身忍者嵐』『アクマイザー3』『超神ビュビューン』『快傑ズバット』『秘密戦隊ゴレンジャー』『ジャッカー電撃隊』『がんばれ!ロボコン』『宇宙鉄人キョーダイン』『大鉄人17』『兄弟拳バイクロッサー』………と枚挙に暇がない。またヒロインアクション的にも『好き!好き!魔女先生』から一連の「東映不思議コメディーシリーズ」(『美少女仮面ポワトリン』も!)まで手がけ、没後実写映画化された『009ノ1』まで挙げたら、枚挙に暇がないどころか、円谷のウルトラシリーズの向こうを張った東映特撮のヒーロー・ヒロインを一手に引き受けていた感がある。これは、かつて東映動画に師である手塚治虫氏に乞われて参加した際、一時はアニメ魅力に取り憑かれ、マンガの道を捨てようとしたことがあって、周囲の説得によってその思いは断念したんだけれど、それが縁で、彼と東映との関係が構築されたんだそうだ。

 ところで、石森氏は、『仮面ライダー』の中の1エピソード「危うしライダー! イソギンジャガーの地獄罠」で演出(監督)を務めていて、更に釣り人の役でカメオ出演まで果たしている。それも、海岸でゲルショッカーの怪人・イソギンジャガーを図らずも目撃してしまい(第一発見者)、それをイソギンジャガーに見とがめられ、眼前の怪人に「見たな!」と言われ、その怪人の姿を凝視しながら「見てないよ」と情けない声で叫んで逃げだすものの、哀れイソギンジャガーの飯食になって熔けてしまうという、功労ある原作者らしからぬ衝撃的な最期を遂げてしまう。当然彼自身が監督じゃなければ絶対に出来ない「巨匠いじり」だ(;^_^A

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 実はこの回は結構マニアックといおうか、子供番組らしからぬ実験的映像・演出に満ちていた回でもあり、おそらく畑違いの石森氏が、監督に祭り上げられ、勇んでこんな特殊な演出をしたんだろうと、あたかも「素人監督」を見るような目でこの作品を今まで観てきたんだけれど、今回氏のについていろいろ検索してみると、元々石森氏は映画監督を志していたそうで、そうなるとこの自作ヒーロードラマの演出とは、決して「漫画家の勇み足」ではなく、ついに幼少期の本懐を遂げた、ってことになる。そう思うとこの「危うしライダー! イソギンジャガーの地獄罠」の回がたまらなく愛おしくなってしまったよ(;^_^A

 東映という「夢の工場」に自分のアイディアを注ぎ込み、老舗の円谷プロピープロに匹敵する一大特撮ヒーローヒロイン世界を同社に構築する礎となった石森氏の「映画」の夢は、今もなおリアルな子供たちを、そして「大きなお友達」たちを楽しませてくれている(^^)