神宮寺真琴のつぶやき~TBossのブログ~

ヒロインアクションの考察から、インディーズムービー・劇場映画の話題まで

『トワイライトささらさや』で“自問自答”

 今日、『トワイライトささらさや』を放映してて、たまたま観始めたのが後半の方だったんで、主人公の未亡人・新垣結衣の亡き夫(大泉洋)の父親(石橋凌)がやってきて、孫(つまり彼女らの息子)を引き取りたいと迫るシーンからの観賞だったんだけど、その先の父親息子(亡き夫)との半生を振り返るラストに、何とも泣けてしまった。

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 思わず孫を奪い去って逃げてしまった父親が、懐から一枚の写真を取り出し、孫にかざして「これがおばあちゃんだよ」と囁く。そこから始まる父親の回想。最愛の妻(写真の主)との間に授かった玉のような息子。しかし仕事に忙殺される父は、なかなか妻子を顧みることもできない。そんな中一人で気丈に息子を育てる妻。しかし無理がたたってか、彼女は病没してしまう。それでも職場から離れられず、妻の死の報に、妻と息子の卒業写真を見つめながら涙に暮れるしかない父。そんな父を恨む息子は、学校を止め、寄席の世界に身を委ねる。そして初舞台の日、こっそり会場にやってきた父は、息子の雄姿を満面の笑みで見つめるが、その直後、寄席を終えた息子と再会するも、息子は彼を一瞥するなり、険しい表情でその場を後にする。そして和解を果たせぬまま、息子は早逝し、父親はその棺に妻と息子の写真を束で入れ、泣くしかなかった……

 妻子を持つ身として、この親父(石橋凌)の切なさは胸に詰まる思いだった。よかれと思いながらも、説教してしまうこの父親のことを、娘たちはどう思っているんだろう。家内にもしものことがあったら、どんな思いに駈られるのだろう。そして、今を精一杯生きているんだろうか……自問自答は続く。

 少なくとも、全てにおいて「悔いの残らない人生」なんて見果てぬ夢に過ぎないけど、果たして本当にいろんな面で精一杯出来る限りのことをしてるんだろうか、なんて考えると、自信は揺らいで仕方がない。出来ないことは仕方がない、でも出来ることまでおろそかにしていないか?

 辛いことから逃げ回ったり、後回しにしたり、逆ギレしたり……そんな恥ずかしい自分と早く訣別して、もっとまっとうな、気持ちだけでも誰とでも正々堂々と渡り合える人生たり得るため、心が"出不精" にならないよう、精進していかなければならないだろう。最初のリタイヤまで先が見えてきた歳になってしまったけど、人生未だ修行の身……

 一本の映画の、それも数シーン観ただけでこんな思いに駆られるなんて……やっぱ涙腺が緩くなってしまったようで……(;^_^A