必然の“オーソドックス”
本年3月中旬、『天使諜報★神宮寺真琴』シリーズ第1弾「狙われた生徒会長」が東京で公開された。「神宮寺シリーズ」初の帝都上映である。
その際、本作には「王道」「オーソドックス」といったコメントを頂いた。勿論好意的にである。これには大変有り難い気持ちと共に、「ああ、やっぱりそうなんだ」との思いが湧いてきた。コメント中、「最近は“王道”の映画が少なくなった」という言葉もあったが、それならば、時代外れの“王道”作品は逆に狙い目かも知れない。
ただ本作は、というか私には、そんな計算高い映画制作は出来ないし、この種の映画を好む層をマーケティングして本作を撮った訳でもない。確かにインディーズムービーといえども上映会を打つならば決して“赤”が出ないよう努力はするが……何と言っても自主映画。まずは撮りたいものを撮る、というのが本筋だ。
私の場合、一時代を築いた、「お約束」に満ちたオーソドックスな映画・ドラマに強く惹かれる。というか、そんな映画・ドラマしか観ていなかった。だから、私の撮る映画は必然としてオーソドックスな勧善懲悪なストーリーになるのかも知れない。勿論「お約束」の名の下に伏線無視の展開へ強引に導いたり、と識者が眉をひそめる展開も多々ある。何と言ってもシリーズの元ネタは「多羅尾伴内」だもの(笑)
世の顰蹙にも動ぜず、今後もオーソドックスな映画を撮っていきたい。
そんな訳で、この“オーソドックスな王道”神宮寺真琴シリーズが、再び帝都に上陸することとなった。詳細は近く公開するが、関東近郊の方、よろしかったら来てやってください。