8mmフィルムでファンタジーを撮っていた頃
現在、来る18日開催の「懐かしの8mmフィルム自主映画上映会」の準備を鋭意行っている。先日は去る先月末に試写した『もっと素直に…』に続き、今回上映するもう一つの作品、『思い出はあしたから』の試写を行った。こちらの方は、ほぼ20年ぶりの映写。『もっと』より倍ぐらい尺の長い作品ゆえ、より慎重に上映した。
本作の主人公を務めてくれた子は、劇中の設定と同じ女子大生で、演技経験が全くなかったものの、頑張って主人公の「桐原真琴」を演じきってくれた。この通り、『天使諜報★神宮寺真琴』から遡ること10年前に、すでに自作に「真琴」というキャラクターを登場させていたのだ。もっともこちらの「真琴」は闘ったりしないけどね(;^_^A)
この映画を撮影していた当時、加藤泰監督の『緋牡丹博徒花札勝負』を深夜放送で観て、藤純子のカッコよさ、加藤泰監督のローアングルの妙にすっかり感化されてしまうことがあった。それで、撮影中、ややローアングルで見つめた彼女の横顔がまるで若かりし頃の藤純子に見えたので、思わず「藤純子みたいだったよ」って声を掛けたら、「それって誉め言葉なんですか?」って怪訝そうな顔で聞き返されたことがあったよ(;^_^A 勿論“誉め言葉”だったんだけど、当時のこの子に「藤純子」っていってもピンとこなかっただろうな……だって私自身、「藤純子」より『3時のあなた』の「寺島純子」の方がピンとくる世代なんだもの(;^_^A(;^_^A
この当時(1994~1995年頃)は、まさかその10年後に“ヒロインアクションムービー”を撮るなんて思いもよらず、ただひたすらファンファジー路線を突き進んでいた。そんな我がファンタジー路線の集大成といってもいい『思い出はあしたから』をこの令和の世に、昭和(大正?)の徒花ともいうべき8mmフィルムの映写機上映として公開できるなんて思いもよらなかった。今観れは青臭い、いささか鼻につくファンタジームービーかもしれないけれど、8mmフィルムという“フィルター”を通して、現実を“虚構世界”に変換させながら思いのままに自分の世界を作り上げていた頃の感覚が今に甦るのは何とも心地よい。
新型コロナ禍の影響もあって、一回の上映を観賞できる人数は限られているが、それでも計2回の上映で、『もっと素直に…』と同様、少しでも多くの方に観ていただきたい思いでいっぱいだ。もしかしたらこの上映会が、これらの作品にオリジナルの形で触れられる最後の機会になるかもしれないから……
「懐かしの8mmフィルム自主映画上映会」
日時 2021年7月18日(日)
会場 広島市中央公民館 研修室4
(広島市中区白島町24番36号)
入場無料(定員各回18名)
主催 イチヱンポッポフィルム(IPF)/演劇企画室ベクトル
協力 BOX MAN FILM(BMF)
後援 (公財)広島市文化財団
上映作品 『もっと、素直に…』(胤森淳監督)
『思い出はあしたから』(胤森淳監督)
『悪魔の誕生日』(池田健太監督・招待作品)
『ライダーヒロシマ』(奥一浩監督・招待作品)
上映スケジュール
9:30 開場
10:00~(2作品/計61分)
●もっと、素直に…
●悪魔の誕生日
11:15~(2作品/計88分)
●ライダーヒロシマ
●思い出はあしたから
13:00~(2作品/計61分)
●もっと、素直に…
●悪魔の誕生日
14:45~(2作品/計88分)
●ライダーヒロシマ
●思い出はあしたから
15:45~(約30分を予定)
アフタートーク
出演:
奥一浩(BMF)
池田健太(BMF)
胤森淳(IPF)