広島県民の“自浄力”
このポスタービジュアルは、マスクをした若い女性の横に、平仮名で「だまっとれん。」の一言。これはマスク生活を余儀なくされる中での選挙、要はコロナ対策も考えろ、とのメッセージにとれなくもないが、まずマスクってのが引っかかる。今、マスクを強いられて、いい加減マスクに対して不快感から憎悪の念まで抱きかねない有権者にとって、このビジュアルは政治不信以前に選挙そのものへの“嫌悪”を抱かせてしまう。「マスクはもう結構、見たくもないのに……」という心理だ。またマスク姿は、コピーとは裏腹に「黙っとれ」のイメージを増幅させる。だからあたかもこのビジュアルは「県民は口(思考)にマスクをして『だまっとれ』」のイメージなのだ。そう考えると、うがった見方をすれば、県を挙げての“参院選潰し”だといってもい。
だが、今回の選挙は、政権与党の不正候補を国政にのこのこ送りだしてしまい、全国の笑い者になってしまった広島県民が、その自浄作用を問われる選挙でもある。投票拒否・白票投票はは決して「政治不信」の自己主張ではなく、時の為政者への「隷従」に他ならない。