神宮寺真琴のつぶやき~TBossのブログ~

ヒロインアクションの考察から、インディーズムービー・劇場映画の話題まで

ヒロインとブーツ

 別にこれはヒロインに特化したことではない。「忍者部隊月光」はいざ知らず、現在の戦隊シリーズの魁となった「科学忍者隊ガッチャマン」や東映戦隊モノのプロトタイプとなった「秘密戦隊ゴレンジャー」でも、メンバーは男女(これが「忍者キャプター」となると文字通り老若男女)を問わず、変身時には皆ブーツを着用している。きっとこれは兵隊の軍靴をイメージ(一番近いのはナチスドイツの洗練された軍服のイメージか)していることは容易に想像できるが、それが変身を解いた平時の服装に反映されているかというと、特例を除き男性隊員が長靴を履いている姿はまず見かけない。翻って、ペギー松山(小牧りさ)やカレン水木(ミッチー・ラブ)、そして桃井あきら(小泉あきら《現・弓あきら》)などは、平時からホットパンツにロングブーツ姿が定番だった(桃井あきらに至っては姓に因んだピンクのミニスカ姿も披露!)。それで敵の戦闘員相手ならばその出で立ちのまま闘う事もあり、いつの間にか「ブーツ姿=強いお姉さん」というイメージが子供ながら定着していった(って人、多いでしょ!(;^_^A)

 

 また、アクションヒロインの金字塔・志穂美悦子も『女必殺拳・危機一発』のポスタービジュアルで、ロングブーツにヌンチャクを構える姿を披露しているし、「軍靴」というルーツに関して言えば、『宇宙鉄人キョーダイン』の地球防衛軍・白川エツ子少尉(堀江美都子)や『大鉄人17』のレッドマフラー隊・佐原千恵(竹井みどり)などは、共に軍服にブーツという、まさに軍服マニア垂涎のコスチュームに身を包んでいたヾ(--;)

 

 そんなわけで、いつの間にかヒロインにブーツは欠かせない、と言った流れが東映戦隊シリーズを端緒に広がっていく。それは戦隊のみならずヒロインの単体モノ(『ポワトリン』『パンジャーヌ』など)でも重宝され、『美少女戦士セーラームーン』実写版など、ブーツとパンプスの混成だったりした。遡れは『キャプテンウルトラ』のアカネ隊員(城野ゆき)もアイボリーのロングブーツを愛用していた。

 


 そんなヒロインの王道アイテムであるブーツだが、当方制作の“広島発ヒロインアクションムービー”シリーズで、実際にブーツを着用したヒロインを挙げると『令嬢探偵★モロボシアイ』『天使諜報★神宮寺真琴』『特命探偵☆葛城アキ』の初期作品3名。うちモロボシアイと葛城アキはクライマックスの戦闘シーンに至る前に私服(アキの場合は上司の思惑によって無理矢理)のシーンでその姿を披露している(戦闘時のアイはチャイナ服、アキはセーラー服に身を包む)。逆に、クライマックスに赤いブルゾン、濃い目のジーンズにブーツイン姿で毎回登場するのが神宮寺真琴。戦闘時というよりは、この姿こそ彼女の言うところの「実体」であり、そこに至る過程で彼女は内偵のため別人格に“成りすまし”ているから、別に戦隊モノの変身後と同様、って訳じゃないんだけどね(;^_^A

 

 ところで、ヒロインが履いたブーツはハイヒールになっていても、戦闘時にはヒールのないぺたんこの靴裏になってしまうことが半ば“お約束”となっている。一方『ガッチャマン』の白鳥のジュンは、アニメという虚構性のおかげで、変身後もヒールの入ったブーツでギャラクラターの戦闘員にハイキック、なんてカットも登場するんだけどね(;^_^A  (あ、そうそう、『シンデレラの懸賞金』では神宮寺真琴こと山田明奈さんが、ヒールのブーツでハイキックを披露してくれていたよΣ(゚д゚;)

 

 そもそもブーツは防寒の意味合いと共に、女性の脚線を如何に美しく魅せるかという命題も背負っていて、それ故のハイヒールということなんだろうけど(これには男女それぞれの立場から賛否両論があろうが……)、これがアクションヒロイン着用への矛盾となっている。美しさを強調するアイテムのヒールが逆に機能性を阻害しているからである。

 

 しかし、そんなヒールを逆手に取ったような演出で、いつかうんとクールなヒロイン活劇を撮ってみたいと考えている。ピンヒール故の演出ってのを……