神宮寺真琴のつぶやき~TBossのブログ~

ヒロインアクションの考察から、インディーズムービー・劇場映画の話題まで

「勇気ある闘い」

 今日、ファミリー劇場では『ウルトラセブン』をまとめて放映していたが、その中で「勇気ある闘い」を観賞。改めて観てみると、なかなか興味深いエピソードだった。

 資源の枯渇に苦しむパンタ星人が、金属の確保のために、地球にある大量の自動車に目をつけ、ロボットを使って強奪してするって発想は面白いし、彼らが地球のラジオから流れる交通(渋滞)情報をキャッチして、そこへロボットを派遣する、というアイディアも、まああり得ない話なんだけど変に説得力を感じてしまった(;^_^A 特撮も、見るからに箱庭で、ミニカー然とした自動車群にしか見えないんだけれど、アンヌたちが乗った車が“回収”されそうになる時、その“ミニカー”の車窓にアンヌのもがく姿がきちんと合成されている芸の細かさには圧倒された。

 ただ、心臓手術を受ける少年が「(主人公の)ダンが手術前に来てくれる」という約束を盾に取り、自分の生命なのに、彼が来ないから手術を受けないとか、怪獣との戦闘という“職務”のため駆けつけられないダンのことを散々「嘘つき」呼ばわりして執拗に罵るシーンは、どうも不条理を感じてしまった。きっと初見の子供時代でも、このシーンは共感が得られなかったと思う(というか微かに記憶している)。ちょっとやり過ぎだったんじゃないかな。

 それと驚いたのは、劇中偽の交通情報でロボットを山間のハイウェイにおびき寄せ、爆弾入りの無人自動車を腹一杯“回収”させ、母船に戻った時を見計らって破壊する、というなかなかナイスな作戦をウルトラ警備隊は実行するのだけれど、その際に彼らが車の一台一台に仕掛けたのは、なんと「スペリウム爆弾」!!Σ(゚д゚;)   かの幻の12話で、スペル星人が核実験に失敗して放射能障害に陥った原因になったのが、このスペリウム爆弾である。ということは、核兵器! こんなの大量にロボットに飲み込ませて大気圏内で破壊したら、それこそ地球が「スペル星」になっちゃうよ!? 実はこの作品の脚本は12話と同じく佐々木守氏。だから「スペリウム爆弾」も同じものと考えて良い。これって“確信犯”的脚本だったのかなぁ……

 さて、その“スペリウム爆弾”によって母船共々破壊された思ったロボットは、何故か大破を免れ、しかも指令する母船(および派遣されたパンタ星人)を失って、制御不能の狂った無差別破壊ロボットと化してしまう。これがこのロボットの名「クレージーゴン」の由来だが、こいつがとにかく強いこと強いこと! 警備隊やセブンの攻撃をものともせず、最後はセブンの決死の体当たりによって辛くもその進行を止めることが出来たほどだ。物語の回としては地味だけど、実は「U警備隊西へ」のロボット・キングジョーに匹敵する強さだったんじゃないかな?

 ちなみに、このクレージーゴンが、その容姿も相まって時折とぼけた仕草をするんだけれど、それでふと思い出したのが、『ウルトラQ』「地底超特急西へ」に出てくる「M1号」。そう思うと、そのシルエットさえ似ているような気がしてきたよ(;^_^A

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 それにしても今日は選挙の投票日。多くの有権者がそれぞれ「勇気ある闘い」を展開してくれただろうか? それとも文字通り「クレージーゴン」を政界に再び送り出してしまったか……?