神宮寺真琴のつぶやき~TBossのブログ~

ヒロインアクションの考察から、インディーズムービー・劇場映画の話題まで

リンゼイとファラ  二つの可能性

 現在AXNで絶賛放映中の『地上最強の美女バイオニック・ジェミー』である。オリジナルが日本で初放映されてから、早や44年の年月が経過したが、当時は日テレの日曜22:30からの一時間枠で、『バイオニック・ジェミー』の第1.2シーズンが放映された後、後発で登場したのが『地上最強の美女たちチャーリーズエンジェル』だったのは、誰もが知るところであろう。

 

 さて、この『バイオニック・ジェミー』と『チャーリーズエンジェル』第1シーズンとの数奇な運命については、あまり知られていないのではなかろうか。この件に関しては、以前当ブログでも話題にしたことがあった(「チャーリーとボスレー」)が、ここでもまた言及したいと思う。 

 

 ドラマの設定上、ジェミーの婚約者として登場する、「600万ドルの男」スティーブを演じていたのは、リー・メジャーズ。彼の存在なくして“バイオニックヒーロー・ヒロイン”の誕生はなかったわけだが、『600万ドルの男』の女性版といっていい『バイオニック・ジェミー』の制作に際し、彼は当時の妻であるファラ・フォーセット・メジャーズ(当時)を強く推したのだという。しかし制作サイドが抜擢したのはリンゼイ・ワグナーだったため、それが不服だったリーとリンゼイとの関係は、ドラマとは裏腹に冷め切ったものだったという。そして奇しくもファラは(日本においては)『バイオニック・ジェミー』の後番組となる『チャーリーズエンジェル』の主役を射止めることになる。

 

 ここでは、そんな痴話を話題にしたいのではなく、ジェミー・ソマーズを演じる可能性のあった2人の女優に思いを馳せてみたいと思う。

 

 

 もしファラがジェミー役を射止めたらどうだったろうか? またリンゼイが『チャーリーズエンジェル』でジルを演じていたらどうだったろうか……?  あたかも初代「スケバン刑事」をもし宇沙美ゆかりが演じていたら、なんて妄想と同じようなこと考えてみる(;^_^A

 

 ファラがジェミーを演じたならば、より大胆なサイボーグの雰囲気を醸し出したと思う。彼女ならば超人的なパワーを披露しても結構説得力がある。しかし、それはどちらかといえば、バイオニックサイボーグというよりも、彼女らの敵役として登場するフランクリン博士率いる“フェムボット”(女性型アンドロイド)のそれに近いイメージだ。やはり、“虫も殺さなさそうな文科系女子”の雰囲気のリンゼイがスーパーヒロインを演じるところに、本作の醍醐味があったと思う。初代麻宮サキを、ワイルドな一面も醸し出す宇沙美ゆかりよりも、“虫も殺さないような”斉藤由貴に無理矢理演じさせることで、逆に独特の味わいになったように。

 

 逆にリンゼイがジルを演じたら、エンジェルのメンバーの中でもおそらくケリー(ジャクリーン・スミス)とキャラがかぶってしまっただろうし、あの知的な雰囲気は、時としてお色気も絡めるエンジェルを演じるのにはいささか違和感を覚えるかもしれない。

 

 そんなわけで、リー・メジャーズの思惑通りにはいかなかったものの、ジェミー=リンゼイ、ジル=ファラというキャスティングは実に適材適所だったと思われる。まあこんなことを書いても所詮は“後付け”なんだけどね(;^_^A