神宮寺真琴のつぶやき~TBossのブログ~

ヒロインアクションの考察から、インディーズムービー・劇場映画の話題まで

『ミステリーゾーン』発の『ロッキー』行?

 先日来より録画を開始した『ミステリーゾーン』。30分という時間設定は実に手頃で見やすく、観始めるとつい2~3話分は続けて観てしまう。そんな中、この度観賞したのは、第8話の『廃墟』だった。

 

 主人公の銀行員ヘンリー・ビーミスはひどい近眼で“瓶底”のようなレンズの眼鏡がなければ何も見えない。しかし、無類の本好き、というか活字に目がなく、小説はおろか新聞雑誌は勿論のこと、時には窓口に来た客の名札の文字まで読もうとしてしまう始末。いたって真面目で人の好い銀行員なんだが、勤務中も家庭でも本が手放せない文字への傾倒(偏執狂)ぶりが仇となって、職場の上司からは疎まれ、妻からもコミュニケーション不足をなじられ、職場でも家でも字を読むことを徹底的に禁止されるという事態に陥る。追い詰められた彼の苦肉の策が、職場の休憩時に人目を避けるように、弁当片手に地下金庫に籠って、本を読みふけるという秘密の楽しみだった。そんな彼の願いはただ一つ、誰にも邪魔されず時間を気にせず読書に耽ることであった。

 

 そんなある日、ヘンリーがいつものように地下金庫に籠って隠れて新聞を読んでいると、突然激しい爆発音とともに、丈夫な金庫がグラグラと揺れた。慌てて金庫の外に出てみると、何と外は一面の瓦礫の山。そこをかいくぐって地上に出るも、街全体が見ずも無残な焼け野原と化していた。彼が地下金庫で読んでいた新聞は、実は核戦争の危機が見出しを踊っており、今まさに全面核戦争が勃発したようである。たまたま地下金庫に居たために一命を取り留めたヘンリーは、同じように助かった人を求めて、自分の家から街中をうろつき歩くが、彼以外誰一人生存者とも会うことが出来なかった。

 

 

 とりあえず当座の食料品は手に入れたヘンリーだったが、流石に孤独に耐え切れず、街を彷徨ううちに手に入れた拳銃で自決を図ろうとする。だが、そんな彼の目に飛び込んできたのは、「図書館」の看板。そこで彼は破壊された図書館の辺りに散乱する無数の所蔵本に狂喜乱舞する。これによって孤独と退屈を埋め合わせることができる。それどころか、一人故誰からもとがめられず心行くまで読書に耽られる今の状況こそ、夢にまで見た「誰にも邪魔されず時間を気にせず読書に耽ること」そのものではないか。

 

 その幸せの絶頂にあったヘンリーだったが、次の瞬間うっかり眼鏡を地面に落としてしまう。たちまち砕け散って飛散する“瓶底”レンズ。この眼鏡なくしては、彼は本を読むことも出来ない。山のような本を前に、途方に暮れるヘンリー。

 

 

 実は、エピソードはぜひ観たいと、かねてから思っていた。それというのも、この『ミステリーゾーン』をリメイクした映画『トワイライトゾーン/超次元の体験』のジョン・ランディス監督による「プロローグ」で、運転手のダン・エイクロイドとヒッチハイカーのアルバート・ブルックスが、走行中の深夜の車内で、往年の『トワイライトゾーン』について語り合うシーンに、この『廃墟』のエピソードが登場するからだ。だからこのタイトルは知らなかったが、今回冒頭に“瓶底”眼鏡をかけた主人公が登場した時点でピンと気づいた。「プロローグ」の方では、確かアルバート・ブルックスが、子供の頃このエピソードを観て、慌てて自分の眼鏡をもう一つ新調した、なんて言ったんじゃなかったかな?

 

 そして今回このテーマでブログを書くに辺り、いろいろネットで調べたら、映画版『トワイライトゾーン/超次元の体験』でナレーターを務めたのが、この『廃墟』の主人公を演じたバージェス・メレディスだったっことを知った。だから彼の出演したエピソードを語らせたのかもしれない。そんなわけで、このバージェス・メレティスなる俳優に興味を持ってさらに調べたら、ナ、ナント、彼こそかの『ロッキー』でスタローン演じるロッキー・バルボアを支えた名トレーナー、ミッキー・ゴールドミル役だったことに気づいて驚いた。「トレーナーのミッキー」ならよく覚えてるよ! しかも彼は、他にも『家』『アトランチスの謎』『マニトウ』『タイタンの戦い』といった“ハンドル目いっぱいこっち側”の映画にも数多く出演しているではないか! 凄いフィルムグラフィーだ(;^_^A

 

 

 それにしても、まさか『ミステリーゾーン』の話が『ロッキー』につながるとは……映画・ドラマの世界は広いようで狭い(;^_^A