神宮寺真琴のつぶやき~TBossのブログ~

ヒロインアクションの考察から、インディーズムービー・劇場映画の話題まで

ドラマ・映画に観る、90年代のピンクレディー

 テレ朝チャンネル2で放映された『西村京太郎トラベルミステリー』をたまたま録画していて観た。テレ朝の「土曜ワイド劇場」の枠でオンエアされた方なんで、十津川警部&亀さんのコンビはおなじみの渡瀬恒彦伊東四朗ペア、ではなく、三橋達也愛川欽也(キンキン)ペア。共に鬼籍に入って久しい往年のペアだ。特にキンキンに関しては、盟友・鈴木則文監督、菅原文太に続いて天に召され、今頃あの世で3人仲良く『トラック野郎』第“11”話でも撮ってるのかなぁなんて夢想すると胸が熱くなる……

 

 さて、今回観たのは「山手線五.八キロの証言 窓から覗いた15秒の殺人方程式 女の禁じられた秘密」。上記の2人がまだ御存命だった1993年7月24日のオンエアなんで、未だフィルムによる制作。既に世は平成を迎えていたが、いかにも“昭和”の匂いがプンプンするような作品だった。山村紅葉もまだ痩せていて人懐っこい美貌をキープしていたようだし、逃走犯のエンケンこと遠藤憲一も初々しかった。彼がクライマックスで逃走に使った車は「トラッドサニー」の愛称だった頃の日産サニーで、当時一番欲しかった車だっただけに、そのサニーがエンケンを乗せたまま横転、炎上するシーンを観て「ああ、なんて勿体ない!」なんて思ってしまったね(;^_^A

 

 そんな本作で同情すべき犯人役を務めたのがMIE(現未唯mie)。ご存じ往年のスーパーデュオ「ピンクレディー」だ。今や還暦を過ぎていると知って驚きを禁じ得ないが、当時彼女は御年35歳でこの役に臨んでいて、その美しさには舌を巻いたね(;^_^A 勿論前記のように当時はフィルムだったんで、今のデジタル映像のように何でもかんでも鮮明というわけではない。しかしその曖昧さとフィルムの質感は、時としていい塩梅で役者を際立たせてくれることがある。昔の映画がまさにそうだ。しかも90年代といえばドラマがビデオで撮られる直前で、スーパー16ミリなど、フィルムの質がピークを迎えていた頃だけに、その効果は30年後の再放送でも未だ色褪せない。ただそれを差っ引いても、ここで三十路のMIEが魅せた清き妖艶さは素晴らしかった。劇中ヴィッグによるボブ(回想シーン)とショートヘアの二種類で登場するが、ショートヘアの方が似合っていたかな(;^_^A

 

 

 そういえば、先日地元広島にも流れる歌謡・ポップス中心のラジオ番組で、パーソナリティのチョイスで「NEVER」と「すずめ」が連続して流された。言わずと知れた前者がMIEの、後者がKEIこと増田恵子の、グループ解散後のソロヒット曲だ。増田恵子といえば、先頃物故した大林宣彦監督渾身の一本『ふたり』で、主人公の父親と不倫する女性を演じ、主人公の自宅の押しかけ、母親と対峙する長回しのシーンと迫真の演技が印象に残っている。ピンクレディー時代は、姉御肌的なキャラだと思っていた彼女のしっとりした演技には当時驚いたのを覚えている。

 

 ピンクレディーとしては、今から四半世紀くらい前に、地元富士宮で行った一夜限りの復活ライブをWOWOWで拝見し、齢を重ねても色褪せない彼女らのパフォーマンスに感激したのを覚えているが、今や還暦をとうに過ぎた彼女らが今どうしているのか、何だか興味が湧くな(;^_^A

 

※話題はそれるが、本作の十津川警部こと三橋達也は、東映の大部屋役者を経て、松竹で初主演映画を撮り、続いて新東宝の映画に出演し、その後日活に移籍、しかしそこでギャラに関する対立から東京映画を経て東宝に入社するという、「5者協定」のうち大映以外の全社で活動するという驚異的なキャリアを誇っている俳優だ。しかも東宝時代には黒澤映画からSF特撮(『ガス人間㐧一号』)まで出演している。またいつか彼に特化したブログも書いてみたいくらいだ(;^_^A