巨大な花嫁
“巨大女”モノとして幻の作品がもう一本ある。それは『キャンディロックの巨大花嫁』(30 foot bride of candy rock)だ。
そこにあったスチールと、その下に書いてある『キャンディロックの巨大花嫁』の文字。確かに白い衣装をまとった白人女性はその横にある給水塔から判断して、まさに“巨大女”だ。しかし、記事の中にはこの映画がルー・コステロ(ユニバーサルの凸凹コンビ)主演のギャグ映画であることしか記載されていなかった。果たしてどんな映画なのだろう、と興味はふくらむばかり。
こんな文脈で書くと、「その後ひょんなことからこの映画を見る機会に恵まれ」云々と行きそうだが、生憎、今日に至るまで未見である。しかしながら、今回“巨大女”ネタでこのブログを書くにあたり、ネタ探しをかねてこの『キャンディロックの巨大花嫁』のことをあれこれWEBで検索したら、大まかな物語やいくつかの映像を見つけることができた。
どうも“キャンディロック”とは怪しげな雰囲気を湛えた場所らしく、そこへ足を踏み入れた、主人公(コステロ)に首っ丈な女性が、その地の魔力によって30フィートの“巨大女”に変身。これまた嫉妬心から、誤解を重ねつつ、愛しのコステロを追いかけ回す、といった内容らしい。また英語版のwikiを調べたところ、他の“巨大女”映画とは異なり、彼女はラスト、無事等身大に戻るようだ。まあ、ハッピーエンドと言えなくもない。
ただ、オリジナルの『妖怪巨大女』以外、どうもこのテーマをギャグで笑い飛ばしてしまう映画ばかり、というのが何ともいただけない。何といっても“巨大女”モノは、“陰惨且つ艶めかしいホラー映画”であってほしいからだ。尤も、そんなニーズは私だけなのかもしれないけど……(笑)