神宮寺真琴のつぶやき~TBossのブログ~

ヒロインアクションの考察から、インディーズムービー・劇場映画の話題まで

眠れマッハバロン

 地元が災害禍で右往左往している折、またしても驚く訃報が報道されていた。下塚誠氏の訃報である。

 下塚氏といえば、何といっても『スーパーロボットマッハバロン』の主人公・嵐田陽に尽きる(というか、殆どこの役のイメージ)。そこで、この機会に所有している『マッハバロン』のDVDを再び観返してみた。もう10周年前、それも中古で購入したもので、メニュー画面もない代物だけど、DVD販売黎明期の雰囲気を醸し出すそのディスクで、ホント久しぶりにマッハバロンの、そして嵐田陽の活躍を再見したが、記憶の中にある、あのむてっぽうで向こう見ずな陽のキャラクターのまんま、ちょっぴりダークなストーリーの中で大活躍していた。

 俗に“バロンシリーズ”と呼ばれる『スーパーロボット レッドバロン』『スーパーロボット マッハバロン』『小さなスーパーマン ガンバロン』の中でも、比較的この『マッハバロン』は観ていた方だったし、“超合金”も買った。とにかく『レッドバロン』よりは格好良かったなぁ(;^_^A それにしてもこのシリーズ、どれも人気・視聴率において検討していたのに、スポンサーの倒産とか、オイルショックといった、作品の与り知らぬ事情によってどれも打ち切りの憂き目にあった悲劇のシリーズである。『マッハバロン』も、毎回「テレビマガジン」で敵ロボットキャラが大々的に紹介されていて、最終話のロボットなど無敵のように書かれていて、いやが上にも当時の少年たちの心を煽っていたのに……いつの間にか終了していた、って感じだった。だから最終回を観た記憶も薄く、件のDVDで改めて観て、何とも“打ち切り感”だ漂う尻切れトンボ的な終わり方でびっくりがっかりしたのを覚えている。前述の「テレビマガジン」掲載の“無敵ロボット”が実は最終話だったのも、当時は気付かず、その回をDVDで観賞して初めて知った次第。『レッドバロン』でさえ、打ち切りだったものの、一応敵の「宇宙鉄面党」は滅んだのに……

 それにしても、今回、下塚氏の逝去に際し、報道の見出しが「人気特撮ドラマ『マッハバロン』俳優」となっていたのは、何とも恰好がいい! 氏がどう考えていたかはわからないが、自分の一番印象に残る主演作品が少年の夢を育む特撮テレビドラマだったなんて、なんて尊い凄い仕事をしたんだろう、て思うべきなんじゃなかろうか。かの奥田瑛二でさえ、若い頃『円盤戦争バンキット』主役を射止めたときには、それこそ“天下を獲った!”ぐらいの喜びようだったらしいし……

 そう言えば、『マッハバロン』のエンディングは、哀感漂うバラード「眠れマッハバロン」だった。マッハバロンを戦う機械でなくしてあげたい。そして平和になった暁には安心して眠れ……そんな歌詞だった。まだ世界に平和は訪れていないけど、この歌詞のように、子供たちに素晴らしい夢を与えるべく活躍し、晩年も病魔と闘った下塚氏には、今まさに「眠れ、眠れ」と声かけて挙げたい……合掌



人気特撮ドラマ「マッハバロン」俳優の下塚誠さん死去 64歳 16年に末期がん告白
https://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2018/07/08/kiji/20180708s00041000304000c.html

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 1974年の人気特撮ドラマ「スーパーロボット マッハバロン」などで知られる俳優の下塚誠(しもつか・まこと=本名・一二=かつじ)さんが7日に死去したことが8日、分かった。64歳。兵庫県神戸市出身。

   所属事務所によれば、2015年秋に咽頭がんを発症し、手術したものの、翌年、肺に転移。下塚さんは16年に末期の肺がんを患っていることを告白していた。

  その後、自宅で療養を続けながら、経営する洋風居酒屋「レモンタイム」の店先に自ら立ち、接客をしていた。発病後も、体調と相談しながらイベントやドラマに出演したが、今年の春頃から体調が悪化。亡くなる数日前に都内の病院に入院し、7日に息を引き取ったという。

  通夜は15日午後6時から、葬儀・告別式は16日午前11時から神奈川県相模原市南区上鶴間本町3の8の2、釈迦堂暁心殿で。喪主は長女・下塚智子(ともこ)さん。

  息子で俳優の下塚恭平(38)も自身のツイッターで「昨日、私の父、俳優の下塚誠ががんを患って、死去しました」と報告。「父とは、会えば口げんかばかりしていて、ずっと疎遠でしたが、憧れの存在であり、私が俳優になる上で多大な影響を与えてくれた存在です。ずっと反対され続けてましたけどね。何一つ期待に応えられなくて、ごめんなさい。安らかにお眠りください」とつづった。

  下塚さんは東京新社タレント養成所1期生。74年、日本テレビスーパーロボット マッハバロン」の主役に抜擢され、本格的デビュー。NHK銀河テレビ小説「昭和の青春シリーズ4 早春の光」、フジテレビ「銭形平次」などに出演した。16年6月に千葉テレビで放映された「越後怪談」シリーズのストーリーテラーが、俳優として最後の仕事となった。