神宮寺真琴のつぶやき~TBossのブログ~

ヒロインアクションの考察から、インディーズムービー・劇場映画の話題まで

格好悪いふられ方

 今更ながら、ドラマの『モテキ』を初めて観た。同じ主人公(キャスト)で撮られた映画の方は情報として知っていたが、その前にTVドラマがあったことを知ったのは大分後のことだった。
 
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 さて、映画の情報を見るにつけ、モテない男(藤本幸世)が何かの弾み急に「モテ期」を迎え、結果鼻持ちならないモテ男に変貌していく様を描いた、“モテない君”の願望を半歩前行くような展開か、と思っていた。それこそ「新種のフェロモン」を誤って浴びてしまったSFチックな作品かと。
 
 しかし、実際の原作はそんなに上手く行く話でのもないらしく、そうなると、その前日談を描くような、今回観た第一話が、俄然切なくなってしまう。
 
 さて、その第一話だが、モテない幸世の元に数知れない女性からの電話・メールが届くことから始まる。だかその中には、彼の“失恋トラウマ”となってしまった女性も数名含まれている、という展開だ。その内の一人、土井亜紀とのエピソードが、ドラマ前半の核になっている。
 
 彼女との思いがけない出会いが、(幾分彼の思いこみ・諦めもあっての)トラウマ的失恋に発展していく過程が実に面白い。そこで、失恋を確信した幸世が、思わずその場から逃げ出してしまう、その瞬間、絶妙のタイミングで大江千里の「格好悪いふられ方」が流れ始める。しかも大江千里自身の詩入りながら、画面にはカラオケよろしく歌詞の字幕が踊る。まさに「格好悪いふられ方」をした幸世の情けない姿が見事にこの歌の“カラオケビデオ”と化しているのである。このシンクロ度には鳥肌が立ったね。しかも曲の終わりに足を滑らした幸世が溝にざぶんと落ち込むサービル振り! こういうのこそ「エンターティメントなんだ」って感激してしまった。
 
 
 実はこの時点でもう「お腹一杯」になったので、その後の展開を観ることはなかったのだが、このドラマ、なかなか「“味”を知ってるな」って、何だか嬉しくなってしまったよ
 
 ちなみにこの第一話のサブタイトルも「格好悪いふられ方」だったよ