神宮寺真琴のつぶやき~TBossのブログ~

ヒロインアクションの考察から、インディーズムービー・劇場映画の話題まで

空母“伊吹”と命名と

 「空母いぶき」と言えば、同名の映画に登場する、海自に配備された架空の護衛艦航空母艦)のことだが、これが漢字の「伊吹」となると、旧日本海軍が実際に建造した航空母艦の名称となる。もっとも「建造した」という表現にはいささか語弊があり、本当は完成前に終戦を迎えた、故に戦場には一度も参加しなかった“悲劇の軍艦”である。もっとも戦場に赴けば必ず敵味方を問わず戦死者を出したろうから、そう考えるとあながち“悲劇”とはいえないかもしれない。

 


 そんな「空母伊吹」に関する記事が掲載されていたが、単に完成が間に合わなかっただけでなく、意外にも数奇な運命をたどった軍艦であったようだ。

 

 

 ところで、この「伊吹」は当時の呉海軍工廠で建造されていた(最終的には佐世保終戦を迎える)空母だが、同様に呉の工廠で建造され、こちらは完成したものの戦場に赴く前に終戦を迎えた「葛城」なる空母も存在していた。ちなみに「葛城」の方は、終戦後南方か日本兵を復員させる際に活躍した、文字通り「人命を救った」軍艦であった。その「葛城」こそ、拙作『特命探偵☆葛城アキ』に登場する主人公・葛城アキの名の由来である。同様に「伊吹」も、探偵社OSKにおける彼女の上司・伊吹元海自三尉として拝借している。

 

特命探偵「葛城」アキと、上司の「伊吹」元海上自衛隊三等海尉


 もともとこの作品は、主人公を元WAVE(海自女性自衛官)と設定し呉でロケをすることを決めた時点で、登場人物の名を全て呉工廠で建造された軍艦の名称で統一することに決め、他にも「最上」「生駒」「千歳」「大淀」「八重山」(そして「アキ」の名も軍艦「安芸」から!)という軍艦由来の名称が登場する。

 自作で登場人物の名称を考える時、何かしら関連付けて決定する傾向が自分にはあるんだけど、こうやって何気なく考えてつけた名称の元の存在が改めて言及されると、つい関心が向いてしまうものだなぁ(;^_^A