神宮寺真琴のつぶやき~TBossのブログ~

ヒロインアクションの考察から、インディーズムービー・劇場映画の話題まで

地方で撮ると云うこと

 ご存じのように『特命探偵☆葛城アキ』は、広島県呉市を舞台に、ほぼ呉市街地ロケで完成にこぎ着けた。そうなると、当然出てくる疑問は、「何故呉を舞台にしたのか」ということだろう。
 
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 それに対して敢えて答えるならば、ただ単に「呉でロケがしたかった」、それだけである。実は撮影の一年前、職場の出張で何度も呉に赴くことがあって、そのうち風景に見慣れてきて、「ここら辺で広島市以外のロケもやってみるか」と思って始めたに過ぎない(もう一つは有料の広島呉道路が無料化実験の真っ最中で、それで移動が楽だ、ってのもあったんだけれども、東日本大震災の影響で、そちらの方はロケ前には中止になっていた)。だから「アキが元女性自衛官=WAVEだった」という設定も、「元三等海尉の興した探偵社」も「武器密輸」も、全て「呉で撮りたい」に端を発した“後付け”のアイディアだった。もっとも、知人の海上自衛隊員を通じて呉や自衛隊には思い入れがあったし、呉海軍工廠にかつて勤務していた亡父の話題を登場人物の設定に活かそうしたし、決して安易な思いつきで撮ったわけではなかった。
 
 では、なぜこんなことを書くかというと、とかく首都圏を除く地域でロケをした際、その理由を問うことが多いからだ。たとえば、私の場合、当然ながらロケの殆どは広島市街地だが、だからといって、広島に根ざした重要なテーマを常に描こうとしているわけではない。強いて言えば「広島でしか撮れないから広島で撮ってんだ」ぐらいしかいえない。もちろん、広島の良さは全国に発信していきたいとの思いも強いが。
 
 逆に言えば、何故首都圏ばかりが映画ドラマの舞台になるのか? その意義は? テーマは?と問われても明確な解答が出来ないのと同じだ。
 
 昨今は県を跨いだ映画人との交流も活発になり、当団体イチヱンポッポフィルムの作品でいえば『思い出はあしたから』『むてっぽう。』『天使諜報★神宮寺真琴3部作』といった作品が県を越えて福岡、姫路、大阪、東京といった都市で上映された。以前は広島の観客や映画人を対象に“広島では出来ないこと”を目指して、県外の著名な監督に県外で撮ってもらった映画を広島で上映したり、広島ではサービスが行われていなかった“8ミリの色抜き(モノクロ)現像”を大阪の知人に頼んで注文してもらい、それを自作に使うとかなどしてきたが、最近は敢えて“広島弁による広島に根ざした映画”を意識して撮ってきた。
 
 自分たちが自分たちの住む地方都市を使ってロケすることには、常に理由やテーマが潜んでいるわけではない。ただし住み慣れた街でのロケ故、そのすばらしさは無意識のうちにそこはかとなく漂ってくるはずである。そこが、東京のプロダクションが乗り込んで撮る“ご当地映画”とは一線を画する“地元民による地元の映画”たる所以だろう。
 
 
広島発ヒロインアクションの夕べⅢ
特命探偵☆葛城アキ〜郷土の怒りをぶちまけろ~上映会

日時: 2013年4月20日(土) 19:00公開(18:30〜開場)
場所: 広島市西区民文化センター スタジオ (〒733-0013 広島市西区横川新町6番1号)
招待作品:『アイドルスナイパー』第一話「プロローグ」
                    (シネマペロ作品 監督 稲葉司  出演 鈴愛 たかさきゆこ
料金: 当日1,000円 (前売800円)
後援: 財団法人 広島市未来都市創造財団
問合せ先:http://ichienpoppo.web.fc2.com/ (イチヱンポッポフィルムHP)
『特命探偵☆葛城アキ』公式ブログHP:http://blogs.yahoo.co.jp/jinguji_ipf_s1986/24651940.html