神宮寺真琴のつぶやき~TBossのブログ~

ヒロインアクションの考察から、インディーズムービー・劇場映画の話題まで

「一番星ブルース」が聴こえる

 先日レビューを書いた『新デコトラのシュウ 鷲』だが、その中で、本作を観賞したきっかけが、エンディングの主題歌「一番星ブルース」だったことに言及した。実際、タイトルバックに哀川翔による同曲が流れた時には、鳥肌モノだった。

 

 

 しかし、その直後、やっぱり聞きたくなったのは、文太・キンキンによるオリジナルの「一番星ブルース」だった。 

 

 

 改めて聴いてみると、やっぱり渋い! 馬鹿馬鹿しくも泣ける一連の『トラック野郎』シリーズには、この曲はなくてはならない存在だ。オープニングで作品世界に誘ってもらうためにも、そして感激の余韻に浸らせてくれるためにも。それこそお好みソースをかけないお好み焼きのように。

 

 

 一番の文太による低音の重厚な染み入るような歌いっぷりに、二番のキンキンによるやや甲高いがそれが逆に個性というか“ジョナサン”の雰囲気を醸し出してくれる“合いの手”の歌唱が入って、再び三番で文太が締める。最後のサビはコーラスで二人の個性がぶつかり合う。もう完璧といっていい。

 

 実は今まで、オリジナルの「一番星ブルース」がオンリーワンだと思っていたが、実は今回の哀川翔バージョンのように、いくつかのカヴァーバージョンがあったのは知らなかった。

 

 

 ダウンタウン(ファイティング)ブギウギバンドによる「一番星ブルース」もある。こちらのバージョンを聴くと、てっきり演歌のカテゴリーに入る(よって「走れ歌謡曲」には新沼謙治の「ヘッドライト」とともに大変相性がいい)と思い込んでいたこの曲が、やはりタイトルにあるように「ブルース」であることを思い知らされる。もっとも、この歌を作曲したのは“ブギウギバント”リーダーの宇崎竜童なんだから、本来はこっちの方がオリジナルといえないこともない。こっちのバージョンもかっこよくて、聴き惚れてしまう。

 

 

 思いがけないところでは、かの“修羅雪姫”こと梶芽衣子バージョンの「一番星ブルース」もあった。どうもこちらの方は“新”がつく前の『デコトラの鷲』に彼女が出演したらしく、その折のカヴァーだったようである。あの重く地の底から突き上げてくるような、彼女独特の美声で歌われる「一番星ブルース」も迫力満点だ。それこそ“松川ナミ”や“鹿島雪”が唸るように口ずさんでいるように思えて仕方がない。歌詞が歌詞だけに、女性に歌わせるのはどうか、って思ってしまいがちだが、やはり梶芽衣子ならば貫禄が違う。最近CSで観ている大映ドラマ『このこ誰の子』に彼女は医者の役で出演しているが、やはり“女医さん”よりは、こんな歌をしみじみ歌う“姉御”の方が性に合ってるような気がしたよ(;^_^A

 

 もしかしたら他にも「一番星ブルース」のカヴァーがあるかもしれないし、オリジナルの素晴らしさは別としても、カヴァーバージョンもそれなりにいい。12年ぶりに復活した『デコトラの鷲』は、今後もシリーズ化してほしいし、その折には絶対「一番星ブルース」は主題歌であり続けることを切に願ってやまない。