神宮寺真琴のつぶやき~TBossのブログ~

ヒロインアクションの考察から、インディーズムービー・劇場映画の話題まで

21世紀の『渡り鳥』は何処へ?

 先の「スペースシャトル解体」が象徴的だった、「スペースワールド閉館→更地にしてイオングループに売却」なんて展開は、「地元で細々と健気に商売している店が、その土地(もしくは利権)を狙う悪徳業者とその配下のヤクザ者の嫌がらせによって奪われそうになる」という、往年の日活無国籍アクションの金字塔『ギターを持った渡り鳥』シリーズの王道フォーマットを現在に甦らせたような蛮行だ。

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 曰く「スペースワールドの広大な敷地に目を付けた大手スーパー・イオン」が、「土地の権利を持っている新日鐵住金」と結託して「借り受けた施設のスペースワールドで、地元や全国のファンに支えられて着実に業績を上げている加守観光」にいきなり理不尽な借地契約破棄を言い渡し、無理矢理スペースワールドから追い出し、その夢の施設をファンの声を無視してグロテスクな商業施設に変貌させようとする。これが日活アクションならば、「イオン」と「新日鐵住金」のキャバレーでの密談の現場に、いきなりギター片手の流しのマイトガイが登場、挨拶代わりに双方の用心棒を蹴散らし、両者を牽制する。続いて、黒幕の「イオン」グループをバックに、「新日鐵住金」が「加守観光」に向かってスペースワールド借地契約の一方的破棄を突きつけようとするその時、再びマイトガイが登場、「新日鐵住金」を一蹴し、返す刀で「イオン」グループに乱入、本丸の「イオン」に正義に鉄槌を下す。結果、スペースワールドの権利は守られ、それを見届けるように、マイトガイは八幡の街を去っていく。出来れば冒頭は、船で若戸大橋を括るマイトガイのシーンで始まってほしいね。タイトルはズバリ『宙(そら)を征く渡り鳥』ってのはどうかな?(;^_^A

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 どうも、かの2004年のプロ野球再編騒動辺りから、政財界の論理による庶民の夢や生活を踏みにじる行為がとみに増えてきたような気がする。沖縄の米軍基地辺野古移転などその最たるものだ。そう思うと21世紀の日本は、かつて『渡り鳥シリーズ』におけるベタな“悪党の暗躍”ぶりが、フィクションではなくリアルに起こる国に成り果てた様な気がして何とも情けない。そう思うと、今こそマイトガイの出番だし、これらのネタで“渡り鳥シリーズ”はいくらでもリメイク出来るはずだ。しかしこの21世紀には“滝伸次”も「渡り鳥」映画もない。何とも嘆かわしい時代になったものだ……(ノ_-。)