ファンタジー作品におけるセーラー服の在り方
今まで、「ヒロインアクション」に特化して、“学園の戦闘服”の見地からセーラー服やスカート丈に関して言及してきたけれど、今回はファンタジー作品におけるセーラー服の在り方について書いてみたい。
当サークル・イチヱンポッポフィルム(IPF)が衣装として所有しているセーラー服は、今から30年近く前に入手した中古品で、そもそもどこの高校でどのくらい前のものなのか、今や皆目見当がつかない。まあ、少なくともかなり昔のものと見て間違いないだろう。
そんなセーラー服のスカート丈は当然ながら、昨今の女子高校生のスカート丈から比べても長い。広島市内(安芸郡含む)には3校の制服がセーラー服の高校があって、その各校にスカート丈のルールがあるか知る由もないので、実はある程度の長さを求めているかもしれない。でも実際の高校生の丈は、ウチの所有している制服の丈よりも短いような気がする。そこで、長い丈のスカートは、昭和の「ズベ公」「スケバン」のみならず、往年の牧歌的な制服姿、要はファンタジー作品において「過去」を表現する重要なアイテムに足り得るのではなかろうか。
セーラー服は、ブレザーと比べその歴史性から、容易に登場人物(女性)の回想シーンとして重宝する。それもそれこそ50~60代の登場人物の過去を演出しようとしたとき、詰襟と同様、時代性やそれに関する説得力を醸し出してくれる。別に「ズベ公」でなくても、映像をモノクロかセピアにすれば、昔の女子高生を演出することは容易だ。しかしそこで短いスカートやル^-ズソックスを出そうものなら、一気に時代性はそがれてしまう。だから長いスカートが必要になってくるのである。
上の写真は、件の“IPFセーラー服”の劇中使用シーンの一部を時系列で並べたもので、そこには“広島発ヒロインアクションムービー”のシーンも含まれているが、ご覧のように長いスカート丈故、図らずも時代性を醸し出している。うち、一番左の『シューリンクス』和泉笙子以外は、本当は設定→現代のヒロインたちなんだけどね(;^_^A
現在、時代性を醸し出すファンタジー系作品を企画し、制作が難しければせめて台本だけでも拵えてみよう(これが「『2020年』“最後に”挑戦」で目指していることなんだけどね(;^_^A)なんて考えているところである。ただ、もしこの企画が日の目を見た時には、セーラー服を効果的に用いて、最近の“広島発ヒロインアクションムービー”シリーズとは一味違った作品に仕上げて、お披露目したいって考えている(^^)