神宮寺真琴のつぶやき~TBossのブログ~

ヒロインアクションの考察から、インディーズムービー・劇場映画の話題まで

『82(ワニ)分署 Rebirth』

 ヒロインアクションを語る上で忘れてはならない人物に“篠原とおる”氏がいる。少々“ダーティーなヒロイン”ものの映画(Vシネマ)の多くは氏の原作によるものだ。代表的なものを挙げても、『女囚さそり』『0課の女(もしくは『ZEROWOMAN』)』『82(ワニ)分署』などなど。タイトルを見るだけでワクワクしてしまう(笑)
 
 しかも氏のwikipedia(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%AF%A0%E5%8E%9F%E3%81%A8%E3%81%8A%E3%82%8B)によると、氏の作風は「一貫して強く賢明な女性主人公を描き続け、男性はたいてい悪人か無能者、良くて若干抜けたところのある協力者というポジションである。」とのこと。これってまさにウチの『天使諜報★神宮寺真琴』シリーズと全く同じコンセプトではないか(笑)
 
 というわけで、今日はそんな篠原氏原作の映像化作品(氏の手を離れたシリーズものも含む)の中に登場するヒロイン(作品)をピックアップしてみたい。 日活映画『スーパーGUNレディ ワニ分署』に関しては以前にこのブログで紹介しているhttp://blogs.yahoo.co.jp/jinguji_ipf_s1986/1994350.html)ので、今から紹介するのが、そのVシネマとして描かれた『82(ワニ)分署』シリーズの第二弾、『82(ワニ)分署 Rebirth』
 
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 このVシネマのシリーズ、第一弾の井上晴美主演のものは、初期のVシネのようにフィルムのような質感で丁寧かつダイナミックに撮られていたが、こちらの『Rebirth』の方はモロビデオドラマで、どちらかといえばAVに近いノリで撮られているような雰囲気だった。
 
 物語は、特殊な薬を用いてマインドコントロールを企む凶悪犯・赤澤(九十九一)の野望に主人公の火野三夏リンが挑む設定だが、その劇中、日活映画版を彷彿させる、実にねちっこい場面が数多く登場する。
 
 相棒のリン(飯島めぐみ)は早々に敵の罠(確か贋の“恋人紹介サークル”だったかな?)に落ち、すっかり薬漬けで洗脳される。その事実に、三夏は敢えて敵の罠にはまり、敵の懐に忍び込むのだが……そこで彼女を待ち構えていたのは、想像を絶する過酷な拷問(洗脳)の数々だった。
 
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 拉致された三夏を次々と襲う怖ろしい責め。息も出来ないほどの大量の顔面放水。暗闇の中目隠しをされての金属音による聴覚神経への激しい攻撃。そして瞳孔が開ききったところを狙っての、手術用ライトの目も眩むような光照射と配下による強引な目開き。口へホースをねじ込まれての白濁した液体の強制吸飲。と、これでもかの容赦ない拷問が続く。その間、脳裏に響き渡る赤澤の悪魔のような囁きが、心身共に弱り切った三夏をいやが上にも追い詰めていく。
 
 薬を強引に飲ませるのではなく、敢えて彼女自身の意志で口に含ませようとするやり口も実にえげつない。やがて、自らの死の幻影まで見せられた三夏は遂に音を上げ、皿に盛られた薬の粒を自ら貪ることとなるが……そこで彼女は自らの身体に釘を刺し、その苦痛によってマインドコントロールからの覚醒を図って、何とかその“地獄”を乗り切り、結局最終的には赤澤の野望を粉砕することとなる。
 
 主人公が拉致されて洗脳されるというパターンは、高倉健主演の『君よ憤怒の河を渡れ』以来、何度も描かれてきたテーマだが、監督の(そして脚本家の)趣味なのだろうか、その描写はかなり過激(悪ノリ)だ。確かに日活映画版でも、三夏(この時は横山エミー)が犯罪者グループに拉致されて麻薬漬けにされる過程が丁寧に(否、ねちっこく)描かれていたが、この『Rebirth』は、そんな日活版のダークな部分を忠実に再現した作品だったのかも知れない。
 
 ちなみに、『Rebirth』三夏役を演じた原久美子という女優、これだけ過激なシーンでありながら、一切裸体を曝すことはなかった(相棒リン役の飯島みゆきは早々にヌードを披露していたのに)。そこで件の原久美子嬢は“脱がないセクシーヒロイン”としての何か“脱がない拘り”があるのかな、と勝手に思っていたが、最近ネットで画像を見たら……既に披露していらっしゃいました(笑)