神宮寺真琴のつぶやき~TBossのブログ~

ヒロインアクションの考察から、インディーズムービー・劇場映画の話題まで

『アラジン』

 ディズニー映画にはあまり興味がない。厳密に言えば『アベンジャーズ』を筆頭に「MCU」の作品群も今やディズニー資本の映画になっているけれど、ここではあくまでディズニーアニメや、その実写版リメイクのことである。だから、“家族サービス”で観るぐらいしかなく、『美女と野獣』も『シンデレラ』もまだ観てはいない。

 それが今回、まさにその“家族サービス”とやらで、せがむ娘たちを連れて、『アラジン』(実写)を劇場まで観賞にいった。2時間を超える128分の長尺な作品だったが、それなりにドラマの起伏もあり、且つ安定の“勧善懲悪”“ハッピーエンド”な展開で十分楽しめたし、泣かせる場面もあったのには驚かされた。

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 物語は、まあオリジナルのアニメに忠実だろうし、ある程度想像通りの展開だったが、冒頭とラストには思いがけない“仕掛け”が施されていたのは興味深かったな(;^_^A 本作の主役はタイトルにもあるように、メナ・マスード演じるアラジンなわけだが、それよりも明らかにランプの魔神・ジーニー役のウィル・スミスの存在感の方が圧倒的に群を抜いていた。もともとコミカルな演技はお手の物の彼が、まさに八面六臂の大活躍。魔神という設定をフルに発揮して、文字通り縦横無尽。それでいて、その居丈高で小馬鹿にした様な中に時折魅せる弱さや優しさのコントラストが絶妙で、やはり本作の中で一番の大御所故、貫禄の演技で、明らかに主役を食っていたような気がする。

 しかも、今回は吹き替え番で観たんだけれど、ジーニー役を吹き替えた山寺宏一の安定した声の演技も素晴らしかった。今は亡き広川太一郎を彷彿させる、まさに「山寺ワールド」を展開していたと思ったね。

 ここからはややネタバレになるが………冒頭でウィル・スミス演じる、子供たちにこの物語を語って聴かせる“狂言回し”役の船乗りの一家が登場し、「この役は何だ?」って思わせられた。その後、劇中無敵の力を誇るジーニーには、本当は普通の人間となってランプから自由になりたいって願望があることを匂わせながら、且つアラジンと恋仲になるアグラバーの王女・ジャスミン(ナオミ・スコット)の侍女として登場する、ダリア(ナシム・ペドラド)に心惹かれていく。そして結局アラジンの計らいで自由な人間となり、ダリアと結ばれ子宝に恵まれたジーニーが、実は冒頭の狂言回しの船乗りそのものであったことを観客は知ることになる。この伏線の妙には舌を巻いたね(;^_^A

 ジャスミンを演じるナオミ・スコットはというと、アラジンと初めて出会う初登場の姿は、衣装のみすぼらしさも相まって「ヒロインには役不足か?」なんて懸念したけれど、ひとたび城に戻って王女のドレスに身を包むや否や、いきなり気品と美貌(そしてスタイル)を醸し出して、気高くそれでいて優しき姫を見事に演じきっていたと思う。それこそ次代の王(女王)にふさわしいような。

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 他にもCG技術で見事に“擬人化”された「空飛ぶ絨毯」の愛くるしい動きも良かったし、国王の座を狙う本作のヴィランであるジャファー(マーサン・ケンザリ)の強烈な悪辣ぶりも、声を当てた北村一輝のふてぶてしさも相まって、なかなか凄かった。またアニメからの定番曲である「アラビアンナイト」や「ホール・ニューワールド」がこれでもかって流れるのも、アニメと実写の橋渡しに一役買っているような気がして、楽しんで聴かせてもらった(^^) CGを駆使した圧倒的で壮大な映像も圧巻の一言! 兎に角抜けるような青空と青い海の美しさにはただただ魅入ってしまったね(;^_^A

 ハリウッドの、そしてディズニーの力をまざまざと見せつけられる、そんな娯楽の殿堂のような映画だったね(;^_^A

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善玉悪役交えてのこういうオフショットって、とても心が温まるね(;^_^A


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