神宮寺真琴のつぶやき~TBossのブログ~

ヒロインアクションの考察から、インディーズムービー・劇場映画の話題まで

「松山行きフェリー」

 今日の出勤時に、聞き慣れないラジオ番組の中で、ふと村下孝蔵の「踊り子」が流れてきた。最初タイトルから“伊豆の踊り子”をモチーフにした曲かと思いきや、実は“舞姫”というかバレリーナの歌詞だった。なんて当時のことを懐かしく思いながら聴いていると、実は今日6月24日は、件の村下孝蔵氏の命日だったと言われ、なるほどそうか……それにしてももう何年経ったんだろう、って感慨に包まれてしまった。

 私が氏の曲を意識したのは、多くのファンと同様「初恋」からだった。何ともミーハーな話であるヾ(--;) でもそれから遡って、氏の歌をいっぱい聴いては得も言われぬ思いに駆られたりもした。ある種郷愁なんだろうけど、あまり冴えない青春期を過ごした者としては、味わったことのない切なさ、といったものが歌詞に充ち満ちていたのが、氏の曲に惹かれた最大の理由だったように思われる。

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 中でも、当初はデビュー曲になる予定だったが、演歌風の「月あかり」のB面になってしまった「松山行きフェリー」が一番好きで、それが高じて、この曲(歌詞)の世界観をモチーフにした“シンデレラリバティ”な映画、『午下がりのシンデレラ』って8ミリ映画を撮ったこともあった(;^_^A

 思い出せば、氏の死の報道はあまりにも唐突で、悲しみよりも驚きの方が強かったと記憶しているが、あの繊細な類い希なアーティスト新譜が、これから永久になくなること考えると、とても残念でやるせなかった。

 いろいろ調べてみると、氏が亡くなったのは世紀末、もうすぐ没後20年を迎えることになるようだが、現在の“広島発ヒロインアクションムービー”を撮り始める前、まだファンタジー系の作品ばかり撮っていた頃の私にとって、大林宣彦監督の作品と村下孝蔵氏の楽曲は、大いなる「教科書」になったと思っている。

 今宵今一度、村下孝蔵氏の曲を聴き、当時に思いを馳せてみたいと思う。