神宮寺真琴のつぶやき~TBossのブログ~

ヒロインアクションの考察から、インディーズムービー・劇場映画の話題まで

広島から行ったキムタクと広島に来た長野と……

 今日、カープ讀賣に快勝。帰宅途中のラジオを聴いていた時は、先発の玉村が1回の表から四連打で無死のまま2点も献上したんで、「ああ今日も惨めな負けか……」なんて覚悟してたけど、その後の神がかり的な展開でその回は2点で食い止め、打線の方もあれよあれよという間に小刻みに得点し、しかも讀賣の信じられないボーンヘッドやエラーに助けられ(同じ市民球場での「フランシスコ」の世紀のエラーを彷彿させる!)、気が付けば9-2の大勝。中でも“逆ユダ”こと長野の攻守にわたる大活躍は特筆すべき内容だった。

 そんな長野のコメントでグッと来たのが、彼が今は亡き「キムタク」に言及したところ。今日4月7日は、去る2010年に当時讀賣所属のコーチだった、元広島(そして元日ハム)の木村拓也氏がズムスタでの試合直前急死した、その13回忌に当たる日だったのである。

 

 

 

 当時入団1年目だった長野が、「今日はタク(木村拓)さんの命日。こういう日に活躍できたのは良かったと思います」としっかり覚えていてそうつぶやいた、そのとこだけでも胸が熱くなるし、決してFAなどではなく、広島で活躍の場を失い、請われて讀賣に入団し、不屈の闘志でエリート集団の中でも異彩を放った“キムタク”に思いをはせると、あの日のことが鮮明に甦ってくる。

 

 

【広島】今季初先発の長野久義が攻守で貢献「今日はタクさんの命日」特別な日に2安打3打点(日刊スポーツ) - Yahoo!ニュース

 

 以下の文章は、当時(2010年4月11日)、mixiに掲載した日記だが、あの時の思いがリアルに描かれてる。あの日の桜は美しかった……

 ケツメイシの「さくら」に触発されたわけではないが、昨日(10日)家族を連れて……というか家族にせがまれて、近くにある観音のとある公園に足を運んだ。

 

 

 昨年見つけたその公園は周りを工場や会社に囲まれた、整備はされているが割とこぢんまりとしたところで、園内には、それでも多くの桜が植えてある。着くと桜の花は今まさに“散り頃”を迎え、たわわに咲いた花びらが微かな風にもハラハラと散る、文字通り“花吹雪”状態。日頃自然の“わびさび”には無頓着な娘たちも、その時ばかりはしきりに「サクラ、サクラぁ~」と言っては、公園内を走り回っていたっけ。

 私はと言うと、まさに「さくら」の歌詞にある
 ~桜舞い散る、記憶舞い戻る~♪
と同じシチュエーションだな、と一人悦に入っていたなぁ……

 それにしても、そんな“散り際”、まさに今年最後の“花見週末”になりそうな日なのに、私たちを除いて誰一人園内に人影がない。その点はいささか不審を抱いた。そんなに寒くもないし……“貸し切り”状態なのは嬉しかったけど……

 やがて公園を後にして車を走らせると、すぐの幹線道に1枚の看板が。そこには「木村拓也 儀 葬儀」(だったか)と書かれていた。思えば、この公園の通り向こうにある平安祭典で、先日亡くなった、故木村拓也氏の葬儀が今まさに行われいる最中だったのだ。信号待ちしているときも、花束を下げた一般の人の姿を何度も見たし、後でニュースを見たときにわかった、彼を乗せた霊柩車ともすれ違った。コース上祭典の前も通ったが、一昨年祖母の葬儀を行ったその祭典の正面には、関係者とは別に、多くのファンとおぼしき集団が細い道路一本挟んだ河原の土手に並んで、じっと式場を見守っていた。そういえば、広島西飛行場には、NNNのヘリが止まっていたっけ……

 もしかしたら観音周辺の多くの人が、地元で行われるこの葬儀に参列して、それで公園にひと気がなかったのかな、なんて思ったりした。

 わずか数年しか在籍していなかった讀賣の事ばかり言われるのもしゃくだし(とはいっても追い出したのはカープ球団の方だが……)、式には元木・徳光・山本“ヤキニク”浩二・東国原といった胡散臭い奴らが参加していたりしたわけだが、それでも今回の氏の死去は何とも傷ましいしいたたまれない。

 讀賣に行って嬉嬉としてプレーし、時にはカープにも牙をむき(しょうがないが……)、いつの間にか日本シリーズの檜舞台にスタメン登場している姿を見て、正直悔しい想いに駆られたことはあるが、それでも、どこに行っても“ひたむきな”という形容がずばり当てはまる彼の姿は、なぜか憎めなかった。それは多くのカープファン・広島人にも共通することになるだろう。

 同じ子を持つ親としても、幼子を残して先立つ無念さは辛いほどわかる。後は讀賣の絶対的な強大財力で、彼の遺した家族が何不自由することなく今後の生活が営めるよう補償してほしい。財源に関してはロッテから行った“球界最高級獲り外国人選手”である“ユダ”の年俸を2割削るだけで十分おつりがくるはずだ。

 そしてその一点だけが、財政的に貧弱なカープから讀賣に移った唯一の幸運だと思う。

 それにしても“散る桜”とこの葬儀……何ともいえない想いに駆られる……