“撮影日記”の顛末
〈撮影日記 最終編です)
3月のクランクイン2日来、諸事情で滞っていた『天使諜報★神宮寺真琴~シンデレラの懸賞金~』のロケだが、スタッフキャストの働きかけもあって、およそ1ヶ月後の4月17日に再開の運びとなった。
“再クランクイン”となった17日は、これまた“レディーホーク”な現場で、朝、広島市青少年センターに集合。満里奈誘拐現場に出会すスタイリスト・津島役の女優さんが、撮影後、すぐに仕事に行かなければならない関係上、まずは満里奈と津島のシーンのみ抜き撮り。そして、入れ替わりに誘拐犯2人と満里奈との絡みを撮り、それから午後に合流する花嫁の父・三矢と新郎・昭彦役のシーン前に、某高校施設で前回消してしまったシーンを再撮。それからとんぼ返りでセンターに直行し、三矢・昭彦シーンを撮影。最後に、5時より合流する誘拐犯・足立のシーンを撮って、喧噪のロケ3日目は幕を閉じた。
翌週24日には、五日市の港付近で逃げる真琴・満里奈と追う組幹部・吉澤のシーンを一気に撮った。中でもクライマックスとなる真琴と吉澤の殺陣シーンは、理嬢での撮影故、回り(特に行き来する車輌~)に注意しながらのロケとなった。午後からのスタートだったが、何とか夕刻の真琴出撃シーンまで無事撮り終えた。
それからひと月後の連休明け、5月8日には、ラストシーンの式場前ロケを、幾多の障害と闘いながら(笑)撮影、午後にはまた青少年センターのロケ&地下の楽屋でのアフレコを行い、これで殆どのシーンの撮影を終えた(もっとも、楽屋のアフレコは、反響音が激しく、後日録り直しとなったが……)。
そしてまたまたひと月後の6月5日、遂にエンディング前の、真琴と事件の張本人・貞男との一騎打ちを撮影し、ここに、紆余曲折を経て『天使諜報★神宮寺真琴~シンデレラの懸賞金~』の全ロケがクランクアップした。トラブル続きの当初から比べたら、この日を迎えることは私にとって、奇跡に近かったが、改めてラッシュを観てみると、この映画に賭けたスタッフキャストの熱意・熱演が見てとれて、やはりこの映画を撮ったことは間違いではなかった、と実感できた。
そんな作品が、いよいよ16日に公開の運びとなる。感慨ひとしおだ。