神宮寺真琴のつぶやき~TBossのブログ~

ヒロインアクションの考察から、インディーズムービー・劇場映画の話題まで

怒濤のクランクイン!

 そしていよいよ3月21日、正式なクランクインを迎えることになった。この日は初日にして超過密日程、しかもキャストの出入りも激しい、いきなりの正念場撮影である。
 
 まず朝8時45分、私を含むスタッフ数名と、真琴足立(誘拐犯A)が集合、早速市内某所で“女刑事”になりすました真琴が、実行犯・足立から略奪された花嫁・満里奈の居所を白状させるシーンを撮り始めた。スーツ姿も艶やかな真琴嬢が、足立の腕を捻り上げる。彼女とは現場では1年ぶりの再開となったが、ブランクを感じさせない堂々とした“真琴ぶり”でまずは安心。足立役の彼もなかなかキャラクターを掴んだ好演ぶりだ。
 
 それから某マンションの一室を指定暴力団・丸木戸組の事務所に見立ててのロケ。この日は春一番かと思われる強風で、そのためあろうことかカメラが三脚ごとぶっ倒れる、というアクシデント発生。幸いその時点ではカメラも普通に作動し、同じタイプの別のカメラも用意していたので事なきを得たが、これから始まる撮影に、何ともくらい影を落としたのは事実だ。それでもこの場所でのシーンを撮り上げたが、そんなトラブルもあって、撮影日程はおしてしまい、そのため次の集合時間に待ち合わせていたメンバーを30分以上待たせる羽目に陥ってしまった。何とも申し訳ない限り……
 
 やがて再び集合場所に向かい、そこで満里奈吉澤(組幹部)、山谷(誘拐犯B)、沖島(誘拐犯C)と合流し、午後のロケ場所である市内某学校施設に到着。そこで車座になって遅い昼食を摂ってから、いよいよ午後の過密スケジュールがスタートした。
 
 最初は講堂施設廊下を使っての、真琴による満里奈救出シーンを撮影。ここではまず、山谷の好演が光った。
好色な設定のこの役を見事にいやらしくねちっこく演じてくれている。撮影中笑いを堪えるのが一苦労なぐらいの山谷ぶりだった。一方、沖島も、よくキャラクターを掴んできてくれたといおうか、沖島役の彼の醸し出すイメージがまさにこの役そのもの。期待通りの活躍に、監督の顔はゆるみっぱなしだった(笑)
 
 それから遂に幹部役の吉澤の登場。もともとこの役は重厚さを出すために、敢えて年配の方(少なくとも私以上)にお願いするつもりだったが、その期待に違わぬ重厚且つしっかりした台詞回しに感動した。兎に角みんながこの映画をしっかり盛り上げていきたい、という熱意がひしひしと伝わってきて、現場が良い意味で緊張に包まれていた。とてもいい傾向だ。
 
 そして最後にこの日最大のロケである、満里奈監禁シーンが待ち構えていたのだが、ここではやはり、満里奈の奮闘ぶりが見事だった。か弱さと大胆さとを併せ持ち、窮地にも動じない、「神宮寺」シリーズに一環として流れる“強い女”像を文字通り表現しなければならない満里奈像を、しっかり体現してくれた。しかもこの日はこのシーンに必要な全てのメンバーが揃わず、抜き撮りに近い状況中、そこにいない相手に向かって精一杯の見得を切ってくれたのには感動した。
 
 そんなこんなでロケ終了は夜7時近く。それでも充実した一日となった。本当にメンバーのみんなにはお疲れさんでした、と言いたい。
 
 だが、その余韻に浸るまもなく、翌22日(月・祝)にも、同じような過密ロケが待ち構えているのだった……