神宮寺真琴のつぶやき~TBossのブログ~

ヒロインアクションの考察から、インディーズムービー・劇場映画の話題まで

広島国際映画祭2021

 現在広島市中区基町のNTTクレドホールを中心に「広島国際映画祭」が開催されている。この映画祭には、当方の映画制作でいつも大変お世話になっている(そして先日書いた『海の底からモナムール』にも出演していた)広島フィルムコミッションの西崎智子さんも深く関わっていて、この日は西崎さん司会の舞台挨拶(アフタートーク)もあると知り、参加することにした。まあ、参加といっても、この日上映される『ドライブ・マイカー』を観賞するってことだけどね(;^_^A

 

エレベーターの扉も「広島国際映画祭」仕様(;^_^A

 

 

 思えば、この映画祭に参加するのは、一昨年の『海辺の映画館~キネマの玉手箱~』のワールドプレミア上映で、故大林宣彦監督が来広して以来だ。今回の上映作品『ドライブ・マイ・カー』はその多くが広島で撮影され、しかもベネチア映画祭で数多の賞を受賞した、広島が誇る、そして広島を誇る作品だ。ちなみにこの作品、8月には封切られていたものの、丁度その頃は上映会やら映画制作やらが立て込んで、つい観そびれてしまっていた。だが逆に、それで今回が初観賞になったんだから、まあ不幸中の幸いだったかな(;^_^A

 

 さて、本作は、広島の観光的な風景ではなく、広島市に暮らす我々が普通に生活している街並みが随所に登場する点が興味深かった。「へぇ、いつも買い物に行くときに通る橋を、西島秀俊の運転する車が走ってるじゃないか」なんて感じで。それこそロケ地マップが欲しくなるような映画だった。しかも別に広島でなければならない必然性もなく、悪まで映画世界の構築に必要なピーズがある街だから選ばれたってのも、逆に素敵だった(当初は韓国・釜山で撮る予定が、例の新型コロナ禍の影響で、急遽国内撮影に切り替わったんだそうだ)。開場に来て初めて本作の尺が3時間もあることを知り驚いたが、凡そ40分を超えるアヴァンタイトルといい、登場人物の描写の妙といい、声高にならないまでも力強く且つ気が気でないテーマが秀逸で、インターミッションなしの179分を一気に見切った感じだ。作品レビューに関しては亦の機会に譲るとして、DVDが出たら、もう一度見直したいと強く感じた映画だった。

 

 

 

 上映後は、上記の通り、西崎さんの司会によって、本作の濱口監督と、途中から加わった山本プロデューサーを交え、1時間にわたるアフタートークが展開した。この内容が映画以上に興味深く、まさに「広島で。映画を撮る」者にとっては、一言も聞き漏らすことのできないような「金言」だらけの内容だった。9時半のスタートで、気が付けばもう13時半、あっという間の4時間だった。

 

 このような映画の祭典が、地元で定期的に開催されることに大切さをひしひしと感じさせる一日だったよ(;^_^A