我が永遠のマドンナ
富田靖子が『アイコ十六歳』でデビューしたとき、原作者の堀田あけみが高校生にして本作で文藝賞を受賞したことへの羨望ややっかみもあって、敢えて映画館まで足を運ぶこともなかった。まあ、今思うと、ほぼ同世代で同じようにそこはかとなく文壇デビューに憧れていただけに(とはいっても集英社のコバルト文庫の懸賞に一回応募しただけなんだけどね……当然討ち死に(;^_^A)、多分に嫉妬心があったんだと思う……

特に彼女が演じたマドンナ「橘由里子」の清楚さには舌を巻いた。それまでの作品群では、どちらかといえば活発でお転婆なJK(JC?)を演じていたようだっただけに、この由里子役は、あの『アイコ十六歳』のポスターではち切れんばかりの健康美を魅せていた彼女のイメージを考えるとあまりにも“異質”に感じられたが、それと共に感動すら覚えた。だからこそ、あの由里子と「さびしんぼう」の田中タツコという両極端な役を演じきる力量は素晴らしかった。後に上記の2作品に思いを馳せるようになったのも、端緒は全て『さびしんぼう』にある(ちなみ当時、両作はTV放映時に録画したものの、録画したのはともにベータマックス……いつまた観賞できるかどうか……)。
そう思うと、数多の候補を退けて、富田靖子こそ我が「永遠のマドンナ」といっていい存在なのかも知れない(;^_^A