神宮寺真琴のつぶやき~TBossのブログ~

ヒロインアクションの考察から、インディーズムービー・劇場映画の話題まで

我が永遠のマドンナ

 富田靖子が『アイコ十六歳』でデビューしたとき、原作者の堀田あけみが高校生にして本作で文藝賞を受賞したことへの羨望ややっかみもあって、敢えて映画館まで足を運ぶこともなかった。まあ、今思うと、ほぼ同世代で同じようにそこはかとなく文壇デビューに憧れていただけに(とはいっても集英社コバルト文庫の懸賞に一回応募しただけなんだけどね……当然討ち死に(;^_^A)、多分に嫉妬心があったんだと思う……

 次に彼女が主演した『ときめき海岸物語』も、やはり劇場で鑑賞はしなかったが、続いて彼女が、当時憧れていた大林宣彦監督の『さびしんぼう』なる映画に主演するに至り、ようやく彼女の作品をスクリーンで観る機会に恵まれた。しかもそれは試写会で、件の富田靖子嬢、尾美としのり氏、大林宣彦監督も試写会のゲストに名を連ね、直に富田靖子を眼に触れる機会に恵まれた。そして、スクリーン上に展開する、最終的には一人4役をこなす彼女の力量に大いに感動してしまったものだった。

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  特に彼女が演じたマドンナ「橘由里子」の清楚さには舌を巻いた。それまでの作品群では、どちらかといえば活発でお転婆なJK(JC?)を演じていたようだっただけに、この由里子役は、あの『アイコ十六歳』のポスターではち切れんばかりの健康美を魅せていた彼女のイメージを考えるとあまりにも“異質”に感じられたが、それと共に感動すら覚えた。だからこそ、あの由里子と「さびしんぼう」の田中タツコという両極端な役を演じきる力量は素晴らしかった。後に上記の2作品に思いを馳せるようになったのも、端緒は全て『さびしんぼう』にある(ちなみ当時、両作はTV放映時に録画したものの、録画したのはともにベータマックス……いつまた観賞できるかどうか……)。

 そう思うと、数多の候補を退けて、富田靖子こそ我が「永遠のマドンナ」といっていい存在なのかも知れない(;^_^A