神宮寺真琴のつぶやき~TBossのブログ~

ヒロインアクションの考察から、インディーズムービー・劇場映画の話題まで

『テルマエロマエⅡ』

 今日1月24日は、ローマ皇帝の一人・ハドリアヌスの生誕日だと、グーグルで記されていた。それでこの“ハドリアヌス”という名、どこかで聞いたことがあるよな、って考えたら、何のこともない、かの『テルマエロマエ』シリーズで、市村正親が演じた皇帝じゃないか! なんてことを思い出して、今日は『テルマエロマエ』(;^_^A

 このシリーズは、ご多分に漏れず、今流行りの人気漫画実写化映画の一つなんだけど、物語が実に秀逸でテンポ良く可笑しく、とても気に入っている。とはいっても、主に『テルマエロマエⅡ』の方なんだけれど……(;^_^A でもこの映画、仮に第一作を観ていなくても、もっと言えばいきなり途中から観ても、「ローマ時代のテルマエ(風呂)作りの名手であるルシウスが何故か現代日本に度々タイムスリップして、その近代文明に驚く」という基本設定さえ知っていれば十分楽しめる作りになっているのがいい。

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 古代ローマパートのメインキャストを日本人俳優で固めるという無謀すぎる設定も、主人公ルシウスを演じる阿部寛を筆頭に、前出の市村正親や宍戸開、北村一輝勝矢といった、よくも集めたものだと言わんばかりのバタ臭くむさ苦しい面々によるキャスティングによって、少しも違和感が沸かないのがいい(^^)  また現代日本に度々現れるルシウスが、その近代文化(特に浴槽を中心としたもの)に触れる際、自分が未来にタイムスリップした自覚のないまあ、飽くまで自分の生きている古代ローマの文化・科学でこの近代文明を理解しようとする徹底した滑稽さが観ていて楽しい。しかも異境の世界にいきなり放り込まれても、彼は毅然とした態度を崩さず(たとえ“フルチン”になってもヾ(--;)、威風堂々と振る舞う姿は、日本人には決して真似できないと思ったね(勿論阿部寛は日本の廃油だけど、設定は古代ローマ人なんで……)。日本人設定では、未来の異世界・異文化に放り込まれたら、きっと何も出来ずにおろおろするばかりだろう。たとえそれが“侍”だったとしてんも(尤も“藤岡弘、”御大主演による、侍が現代のニューヨークに顕れる『SFソードキル』ってSF映画はあったけど……)。

 しかし、現代日本に生きる山越真実(上戸彩)が古代ローマに逆タイムスリップして、物語がローマ中心になる後半は、意外と前半と比べて面白さに欠ける。本作が一本の筋の通ったストーリーを持つ映画である以上、後半のシリアスなクライマックスが必要なのは重々承知なんだけれど、本作の大きな魅力が、古代ローマ現代日本との異文化交流(しかも日本の方がローマより勝っているという邪な優越感もある種伴っている)にある以上、前半のすっぼけた、それでいて大真面目なコメディー部分の方がよっぽど面白く感じてしまうのだろう。でも前半ルシウス役の阿部寛を散々いじっておいて、ラストは泣かせる演出、流石ですな(;^_^A

 それにしても、あたかも作者自身がローマ人ではないか、って思うくらい現代日本をローマ人の視点で客観的に描いているこの漫画の原作者「ヤマザキマリ」ってどんな人物なのか、って思っていたら、何とイタリアに長く在住し14歳年下のイタリア人男性を夫に持つ、筋金入りの“国際人”なんだそうだ。何とも納得!(;^_^A