神宮寺真琴のつぶやき~TBossのブログ~

ヒロインアクションの考察から、インディーズムービー・劇場映画の話題まで

『私をスキーに連れてって』

 1980年代のバブル期を席巻したホイチョイ・プロダクションズ。当時のバブリーな時流に乗り、数多のヒット作を世に送り出した。時流や政界に寄り添ってしたたかに成り上がる姿は、秋元康を彷彿させるが、ここの取締役の馬場康夫も学生時代同窓の“アベ友”と、胡散臭さマックスで、今になってますます彼らの作品には食指を動かす気にはなれなかった。

 それが、初めてCATVで彼らの記念すべき劇場映画第一作『私をスキーに連れてって』を垣間見ながら観賞した。さすがに映画は観ていなくても、劇中歌である松任谷由実の「恋人はサンタクローズ」ぐらいは知っていたので、その曲が流れるシーンについ惹かれて、しばし観てしまった、というのが顛末だ(;^_^A

イメージ 1

 それにしても、本作の原田知世はマックスの美しさを誇ると言ってもいいくらい、スクリーン上で輝いていた。確かに多少前歯の形状には難があったがヾ(--;)、とにかく可憐の一言に尽きる。特に純白のスキーウェアに身を包んだ姿と、秘書の制服姿のギャップは素敵だったし、かの『時をかける少女』の芳山和子が、そのまま素直に成長したような雰囲気を醸し出していたよ(;^_^A

イメージ 2

 物語は、当時の世相を反映してか、王道のラブストーリーで、彼女に恋い焦がれる三上博史が、後の性格俳優ぶりをみじんも出さない純情可憐な青年を熱演し(どうも彼は代役でこの大役に抜擢された、当時まだ無名の新人だったらしい)、脇を固めるのが布施博沖田浩之高橋みゆきと、今思えばひと癖もふた癖もある俳優陣で、しかも姉の原田貴和子まで、三上の友人役として知世と絡んでいるのが何とも微笑ましい。さらには竹中直人の髪の毛フサフサな若々しいこと!(芸風は今と変わっていないけど(;^_^A)

 そして、全く以てキザなおしゃれな映画なんだけど、電話はダイヤル式の“ジーコジーコ”だったり、カメラは撮影後しばらくしないと現像が上がってこないフィルムカメラだったり、と、バブリーながら今より32年前の時代を反映していて、何だか愛くるしく感じられてしまったよ。車は辛うじてフェンダーミラーじゃなくドアミラーだったけど……(;^_^A

 この映画って、今は50歳前後になってしまった当時のバブル世代が今観て懐かしくなってしまう作品なんじゃないかな、って思った。平野ノラじゃないが、当時の世代にとって、追憶のよりどころになるんじゃないのかな。だから、この雰囲気のままリメイクってのも面白いと思う。今やもう戻れない古き良き時代、って考えたら、新たな『三丁目の夕日』になってくれるに違いない(^^)

 でも、もしかしたらそんな思いでホイチョイが撮った作品こそ、2007年公開の『バブルへGO!! タイムマシンはドラム式』だったのかも知れない(;^_^A

 ちなみに私事ながら、件の『私をスキーに連れてって』封切日からぴったり12年後の日に挙式し、ホイチョイ最後の作品『バブルへGO!!』が公開された年に初めて娘を授かったことを考えると、こじつけながら、好きになれなかったホイチョイとの意外な因縁を感じずにはいれない(;^_^A(;^_^A