神宮寺真琴のつぶやき~TBossのブログ~

ヒロインアクションの考察から、インディーズムービー・劇場映画の話題まで

『男はつらいよ 口笛を吹く寅次郎』雑感

 過日、テレビで『男はつらいよ 口笛を吹く寅次郎』を観賞。昔は、渥美清が演じるフーテンの寅が、ぶらり帰ったとらやの家族の前で自慢話を芝居がかって語るシーンぐらいしか好きじゃなかったシリーズなのに、齢を重ねたせいか、今観るとドラマパートも胸にキュンと来る。

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 この回はウチの隣県の岡山が舞台。何とさくらの夫・博は岡山の出身っていう設定だったらしい(演じる前田吟のリアルな故郷は反対側の隣県・山口)。そんな博の里の菩提寺に、あろうことか彼の天敵といっていい義理の兄貴・寅次郎が訪れるという冗談のような設定だったが、肝心のラブストーリーの方は、マドンナの朋子(竹下景子)がむしろ寅次郎に一途な愛を秘めるという、何とも切ない設定だった。しかもそんな彼女の告白を、寅次郎は自分に自信がない故、冗談と聞き流してしまう。これって、かつて八千草薫がマドンナだった時にもあった設定だ。ああ、何とも勿体なく切ない。

 また劇中、若かりし頃の中井喜一と杉田かおるが若いカップル役で登場しているのもなかなか新鮮だった。かの『ワイルド7』で、したり顔で吉田鋼太郎に一撃を食らわし、彼を社会的に抹殺する老獪な演技をした中井喜一だけに、何とも青臭くて面白かったよ。

 ところでこの作品、ロケはどうもアフレコらしいんだけど、劇場公開(シネスコ)映画にもかかわらず、それがあんまりリップシンクロしていなかった。実は今最新作『女子高生戦士☆英あいり』の編集中で、アフレコのリップシンクロ編集に苦慮しているだけに、何とも複雑だった。しかし、思えば明らかに英語を発音している口元に無理矢理日本語吹き替えを行う外国映画の吹き替え版も成立しているだけに、まあこれくらいのズレはいいんだろうな、なんて思って、ちょっと気が楽になったよ。プロでもこれだもん、大丈夫大丈夫(;^_^A

 何か、一本の映画を観る度にいろんな思いが駆けめぐるよ(;^_^A