時を超えて『「小さき闘い」より 敗れざるもの』
今日、石原裕次郎主演の映画『「小さき闘い」より 敗れざるもの』が放映された。この映画は、同じく裕次郎主演のTVドラマ『小さき闘い』のリメイクとして制作された、かれこれ半世紀前の作品である。裕次郎演じる主人公のお抱え運転手・橋本が、務める高村家の長男にして、彼に一番心を寄せる俊夫の脳腫瘍発症という事態を受け、苦悩しながらも俊夫に寄り添い、最期を看取る、という、典型的な“難病映画”である。こんなヒューマンなドラマの原作者がかのレイシスト・石原慎太郎とは驚きだが、件のドラマを放映したのがかのフジテレビ(産経グループ)だったのは、何とも頷ける話だ。
さて、私にとって今回の観賞は、小学生低学年以来、もう半世紀近く前のことなんだけど、同じような若年の少年の難病(そして逝去)という展開が何とも衝撃的で、何故が今までずっと心に引っかかっていた映画だった。ただ記憶も曖昧なもので、劇中前半、天体観測中の俊夫が、脳腫瘍の兆候故転んでぶつけてしまうシーンを、勝手に「これが原因で彼は死へ向かうんだ」と勘違いしたまま観ていたことを思い出し、今にしてようやく話の筋をきちんと理解できた、なんて発見もあった。まあ小学生低学年では、脳腫瘍なんて病気の意味は理解できなかったんだろうけど……もっとも、何故か「白血病」だけは、とてつもなく大変な難病だって気付いていたけれど……
まあ、小学生が観るには実にハードな映画だったけど、逆にこんな作品でも小学生が十分観賞できるという事実も改めて再確認して、決して映画・ドラマを「大人」「子供」と線引きするべきではない、ということも改めて実感したよ。勿論激しいエロス&残虐シーンを敢えて子供たちに観せるべきではない、と思ってはいるけれど………