神宮寺真琴のつぶやき~TBossのブログ~

ヒロインアクションの考察から、インディーズムービー・劇場映画の話題まで

コーマンスクールの“親不孝者” 来世でまた輝け!

 映画作りの哲学から作品世界のセンスに至るまで、“我が心の師”と崇め奉っているロジャー・コーマン御大。彼が排出した数多の映画人の中で、必ず目にするのがジョナサン・デミ監督だ。

 もともと大学で獣医学を学ぶような理系のインテリだったのに、何の因果か映画界へ。その世界でロジャー・コーマンの目に留まり、撮った映画が『女囚刑務所・白昼の暴動』ってえんだから素敵な映画人生のスタートを切ったと思うよ(;^_^A

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 もっとも彼の名を全世界に知らしめたのは、何といっても『羊たちの沈黙』だ。かのアカデミー賞で作品・監督・脚本・主演男優(アンソニー・ホプキンス)・主演女優(ジョディ・フォスター)の5部門を受賞したトップレベルの映画だが、実は猟奇殺人という、ドライブインシアター系のハーシェル・ゴードン・ルイス辺りが撮りそうなネタだったりするのが何とも嬉しい(;^_^A くだんのロジャー・コーマンが本作にFBI朝刊役でカメオ出演している件も、師弟愛を感じさせて実に微笑ましい。

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 B級ムービーからスタートしたジョナサン・デミ監督が『羊たちの沈黙』という“金塊”を掘り当てたことはとても素晴らしいし、逆にそれで“コーマンスクール”にまた新たな“箔”がついたことも喜ばしいことだった。

 そんなジョナサン・デミ監督の訃報が届いた。御歳73歳。師匠のロジャー・コーマンより18歳も若く、しかもコーマン御大は未だ健在であることを考えると、何とも親不孝な話だ。これじゃ“野辺の送り”も出来ないじゃないか……

 ただ時が経てば、コーマン御大もコーマンスクールの面々も、いずれ鬼籍に入る時が来る。それまでにあの世でしっかり“コーマンスクール”の下地をこしらえて、来世でまた楽しい娯楽映画をメンバー力を合わせてバンバン撮ってほしい。私も近い将来、観賞にはせ参じるから……合掌




羊たちの沈黙」などで知られるアメリカの映画監督、ジョナサン・デミ氏が4月26日、食道がんによる合併症のため死去した。73歳だった。CNNなどが報じた。

デミ氏の代理人は声明で「残念なことに、ジョナサンは今朝早く、マンハッタンのアパートで彼の妻、ジョアン・ハワード、そして3人の子供に見守られながら亡くなったことを確認した」と述べた。

共同通信によると、デミ氏は1944年、ニューヨーク州ボールドウィンで生まれた。映画会社の広報担当を経て映画制作に関わるようになった。

代表作に「フィラデルフィア」(1993年)や「クライシス・オブ・アメリカ」(2004年)などがある。アメリカ連邦捜査局(FBI)の女性訓練生が連続殺人事件に迫る「羊たちの沈黙」(1991年)で、アカデミー賞監督賞を受賞した。

フィラデルフィア」に主演し、アカデミー賞主演男優賞を獲得したトム・ハンクス氏は、「ジョナサンは私たちに、人間はどれほど大きな心を持っているか、そして、それが私たちがどのように生きるか、また生きるために何をすべきかなどを導いてくれると教えてくれた」などと声明で述べた。