神宮寺真琴のつぶやき~TBossのブログ~

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『ふしぎなメルモ』はCG実写化できるか?

 今のCG技術を駆使して、是非実写映画化してほしいアニメ(漫画)作品がある。その名も『ふしぎなメルモ』(;^_^A

 手塚治虫先生原作によるこの作品は、1971年10月から翌72年3月末まで2クール・26話制作された、“少女SFアニメ”といった様相を呈している。内容は、母一人3姉弟の渡家が、母のの交通事故死によって幼い3人の子供達が取り遺されることとなり、子供達の行く末を案じた天国の母が、天国で授かったミラクルキャンディーを長女のメルモに託す、という所からスタートする。その後、「青」を食べれば10才大人になり、「赤」を食べると10才若返るそのキャンディの魔力によって、メルモは変身を繰り返し、家族や周りの難題を乗り越えていく、という話が展開していく。

 コンセプトそのものは赤塚不二夫氏原作の『ひみつのアッコちゃん』と大差ないが、医者の資格も持つ手塚氏だけあって、少女が成人女性に変身する行程がいかにも生々しく、且つ作品のテーマそのものが「性教育」的であったり、と、実に特徴的且つ印象的なアニメドラマだった。『ひみつのアッコちゅん』では巧妙に誤魔化されていた「子供が大人になった時、着ていた衣服はどうなる」といった素朴な疑問にも真摯に“解答”していたっけ(;^_^A はち切れんばかりの子供服に戸惑うメルモの姿が定番だったよ(;^_^A

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 実は本作、一度2000年に「手塚治虫劇場」というオムニバス単発ドラマの一本として制作されていて、大人になったメルモを木村佳乃、彼女の母親・ひろみを風吹ジュンが演じていたらしい。子供のメルモ役は児玉真菜という子役が務めているようだが、このドラマ、正直観た記憶がない。またこの当時どれだけアニメに近い映像が描けたか、知るよしもないのが残念だ。

 そこで現在、ここまで高度に発達したCG技術を使えば、今までアニメでしか表現できなかった『ふしぎなメルモ』のリアルな実写版が描けるにではないか、と考えた。既に実写化された綾瀬はるか版の『ひみつのアッコちゃん』では、光に包まれる定番の映像で、その変身ぶりが今ひとつ曖昧にしか描かれていなかったが、こと『ふしぎなメルモ』に関しては、嫌らしくない程度にリアルなメタモルフォーゼ(これが「メルモ」命名の語源らしい)を魅せてほしいと思っている。ここら辺は、そこに「スケベさ」を意識する下世話な実写待望者のの記事を拝見したり(そして何故かスカーレットヨハンソンの姿が脳裏にチラついたりするが(;^_^A)したが、そうではなく、もっと生々しく、「生き物」としての変身・変態をありったけのCG技術を総動員して、我々に魅せてほしいものだ。

 それと、実写を願う最大の理由は、最終回の再現である。ミラクルキャンディと周りの愛に助けられて幾多の困難を乗り越えたメルモがやがて成長、結婚、出産を終えた時、最後の2粒となった「青」と「赤」のキャンディが織りなす“奇跡のラストシーン”。そのワンシーンが大林宣彦の『異人たちとの夏』一本分のボリュームに匹敵する、あまりにも濃密且つ感動を呼び起こす、“意外性”という枠を飛び越した、日本アニメ史上最も純粋で美しいあのシーンを是非是非実写で再現してほしい、と切に願っているのである。

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  『ひみつのアッコちゃん』は成人女性に変身した加賀美あつこをメインに据えたので綾瀬はるかで務まったが、『ふしぎなメルモ』は飽くまでリアルタイムの幼いメルモが主人公でないと務まらない。そこで短命には終わったが『OUR HOUSE』で、母なき家で兄弟の世話に明け暮れる健気な長女役を演じた芦田愛菜が適役ではないか、って思う。この作品ならば、主人公が中学生1年程度ならまだ演じられると思うから。変身後は原幹恵あたりに演じさせるくらい思い切ったことをすれば、ちょっぴり色香も感じられて、きっと面白い映画になると思うよ(;^_^A