神宮寺真琴のつぶやき~TBossのブログ~

ヒロインアクションの考察から、インディーズムービー・劇場映画の話題まで

予定調和でなぜ悪い?(;^_^A

 ドラマ自体が何の葛藤もなく淀みなく進み、いかにもなキャラが想像通りの活躍をしてハッピーエンド……そんな映画のことを、人は“予定調和”という。かつてのハリウッド黄金期(「アメリカンニューシネマ」前夜)のスペクタクルがそうであり、東映の60~70年代のアクション映画がそうであり、もっと突き詰めて行けば、プロパガンダ戦争映画などその最たるものであろう。

 このブログを御覧になるような、また当団体イチヱンポッポフィルムの上映会に来場されたりDVD・BDを購入された方ならば既にご存知と思うが、当団体の“広島発ヒロインアクションムービー”シリーズ、とりわけ処女作『令嬢探偵★モロボシアイ』以後の作品に関しては、まさに“予定調和”な展開を、敢えて選んで撮られてきた。

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 一見、“予定調和”“勧善懲悪”な展開は「安直」のそしりを受けることが多い。「主人公の葛藤がない」「そんな展開ご都合主義過ぎてあり得ない」「台本がお粗末」との意見をよく頂戴したものだ。しかし、敢えて誤解を承知で書くと、“予定調和”を徹底することは、意外にしんどかったりする。

 映像であれ小説であれ、およそ“作家”と呼ばれるものは、なかなか安直な物語をかけず、どうしても“葛藤”という名の“ブレーキ”を何度もかけてしまいがちだ。そうしないと物語が安易になってしまうとの危惧を抱いてしまうからだ。しかし、これがアクション映画にまで及んでしまったら、本来この手の作品を観る観客にとってはまどろっこしさを与えてしまうのではなかろうか。

 かつてのハリウッド映画におけるアクションは、まさに「スカッとする」くらい馬鹿馬鹿しいものばかりで、『イレーサー』『トータルリコール』などに代表されるシュワルツェネッガーの一連の大真面目お馬鹿アクションや、ブルース・リーの『燃えよドラゴン』(これはハリウッド映画)、チャック・ノリスの映画全て等々、どれも“ノンストレス”で観られる逸品ばかりだった。それが最近ようやく観た『スパイダーマン』3部作では、主人公の葛藤や苦悩ばかりが全面に漂っていて、爽快感は少なく、「おいおいこんな設定を日本映画から学ばなくてもいいって!」と画面に行ってやりたい騒動を覚えたくらいだ。

 邦画でも、主人公が完全無欠に強い『座頭市』(勝新版もたけし版も)やトミー(若山富三郎)版の『子連れ狼』が断然面白い。その点、金字塔の『仁義なき戦い』シリーズさえ、山守(金子信雄)をはじめせこい幹部たちに翻弄され裏切られる主人公広能(文太兄ィ)の葛藤を観るのは少々辛かった。

 だから、映画を創る側、批評する側からすれば、「薄っぺらいストーリー」「主人公の成長が見えない」と写る“予定調和”な物語も、案外アクションを好んで見る方々からすれば、却って「すっきり楽しかった」と思ってもらえるんじゃないのかな? 勿論その映画を観るか観ないかは、観客に選択権があるのだから……

 だからこの種の映画のことを「王道」って読んでもらえるんだと思う。そう思って、今は勇気を持って、“予定調和”“勧善懲悪”に拘ってヒロインアクションムービーを撮り続けている(;^_^A 

 そんな「王道」ヒロインアクション映画の祭典に、是非皆様ご参加ください(;^_^A


「広島発ヒロインアクションまつり 2016」

■日時  2016年11月27日(日) 第1部13:00~(開場12:30) 第2部15:30~(開場15:15)
■会場  横川シネマ!!(広島市西区横川町3-1)
■入場料 \1.200 (前売\1,000)
       ※第1部・第2部共通入場券 ※イベント開催中は半券提示で再入場可
       ※前売りチケット予約メールアドレス 
ichienpoppo@gmail.com
■上映作品
 第一部
   『令嬢探偵★モロボシアイ〜広島より愛をこめて〜 」27分
    『天使諜報★神宮寺真琴〜市民の敵は場外へ飛ばせ!〜」27分
   『電光石火☆八城忍」52分
 第二部
   『ベビーフェイス』12分(東京シネマペロ作品)
     『一文字沙也加』15分(東京シネマペロ作品)
     『アイドルスナイパー2ダークリベンジ』56分(東京シネマペロ作品)
     『学園特捜☆伍代聖羅~戦士の休息~』24分
※終了は18:00頃