神宮寺真琴のつぶやき~TBossのブログ~

ヒロインアクションの考察から、インディーズムービー・劇場映画の話題まで

“広島発ヒロインアクションムービー”のプロトタイプ

 もしかしたら、もうこのブログ内で言及していたかも知れないけれど……今年10周年を迎えた“広島発ヒロインアクションムービー”のプロトタイプともいえる8mm映画を、それから遡ること7年前に既に撮っていた、という話題を一つ……

 今から18年前の1998年。この年は全国の著名なインディーズの監督(安田真奈氏、なにわ天閣氏、佐藤懐智氏、高橋亨氏、廣瀬敏氏)に8mm映画の制作を依頼し、主要5都市(東京・大阪・広島・尾道・福岡)で上映イベントを行った「キネマ百景」でプロデュースを行う傍ら 、監督としても長短併せて3本の映画を撮るという、我が映画人生の中での一番の多忙且つ幸福な1年を過ごす(しかも1~9月までの間に!)ことになったのだが、その年に撮った長編が『むてっぽう。」という作品だった。ストーリーは以下の通り(当団体IPFのHPより抜粋)……

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 最愛の兄と死別したというトラウマを抱える智美は、その面影を追いつつ、今は兄に似た性格の青年・浩一と仲睦まじい日々を送っていた。
 悪友の小百合から、「ヤクザの彼氏からもらった」という“鉄砲”をさんざん見せびらかされた智美は、ある日、怪しい足音に尾行される。慌てて自室に戻った彼女の許に飛び込んできたのは、血塗れになった浩一だった。驚く智美に、彼は「暴漢に遭った」と言い、おそらく犯人は、以前自分にカラんできた大蔵組のチンピラに違いないと推測する。 翌日二人は警察に被害届を出すも、証拠のない事件故、体よくあしらわれてしまう。
 落胆して帰途についた浩一は、以来、大蔵組を恐れて、部屋から一歩も外に出なくなってしまった。微かな物音にも怯える日々。兄に続いて、浩一までも失いたくない!と切に思った智美は、小百合の許へ向かうと、必死の形相で彼女から例の“鉄砲”を奪い取り、あろうことか直談判をしに大蔵組事務所へと向かってしまった。しかし、彼女が手にした“鉄砲”は、小百合の見栄と冗談から生まれた単なるモデルガンだったのだ!
 何も知らない智美は、途中再び足音を響かせてついてきたストーカー・シローを振り切ると、一路大蔵組事務所へ。折しも事務所では、警察のガサ入れに備え、拳銃の持ち出しが行われている最中だった。
 以上のような展開で、「ゆがんだ愛が生んだ、ピュアな物語」をキャッチフレーズに、早春の広島を舞台に、一大スラップスティック活劇(?)が展開する。広島の要素の一つ“ヤクザ”も登場!

 ストーリー展開は、サブ監督の『ポストマンブルース』よろしく、勘違いが勘違いを生んで、どんどんカオスに陥っていくスラップスティック活劇になっていて、主人公・智美が、拳銃片手に広島ヤクザを向こうに回し、広島市街地を駆けめぐる、そんな“ヒロインアクション”的な物語に仕上がっている(もっともオチはそういうわけにはいかなかったけれど……)。

 主人公の智美は、最愛の兄を失ったトラウマから、亡き兄と最後に観た『ガメラ2 レキオン襲来』の思い出と共に“ガメラ”に異常なほど執着していて、兄からもらったガメラ人形やガメラマスクをいつも携帯している、というぶっ飛んだ性格に描いた。劇中、追っ手の目をくらますために、あろう事かガメラマスクを被って誤魔化そうとする大変シュールなシーンもあったりする。今観ても、当時監督である私がいかに主人公ヨロシク『平成ガメラ』に執着していたかが思い知らされ、何とも微笑ましい。

 そんな『むてっぽう。』だが、その後朝日ソノラマの「宇宙船」編集部にその内容を投稿したところ、1999年冬号に見事掲載していただけた。創刊号から持っていたので、その感慨もひとしおだったな(^^)

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 当時はVHSビデオにしていて、この掲載をきっかけに何本かは注文の依頼をいただいた。まさに現在“広島発ヒロインアクションムービー”DVDを販売する上での礎になったかもしれない。

  そういえば、そんな『むてっぽう。』の主人公と13年ぶりに奇跡の再開を果たしたことを、以前のブログに書いていたよ(^^)http://blogs.yahoo.co.jp/jinguji_ipf_s1986/23592713.html

 もしこの作品に興味を持っていただけたならば、現在テレシネDVDを作成していますので、購入を希望される方は以下にメールをよろしくお願いいたします。