神宮寺真琴のつぶやき~TBossのブログ~

ヒロインアクションの考察から、インディーズムービー・劇場映画の話題まで

「映画」食わず嫌い王決定戦?

 個人的には、来る7月29日の『シン・ゴジラ』公開が待たれてならない所だが、そんな折、昨日から『高台家の人々』なる邦画が封切公開された。この作品は、昨今の邦画界の実情を示すかの如く、少女マンガを原作に、綾瀬はるか斉藤工水原希子といった“旬”な俳優を配した“売れ線”の映画のようだ。

 ビジュアル的にも、チラシ(ポスター)のデザインは原作まんがと同じ並びでキャストを並べたお決まりのクールなもので、このチラシを観た途端、「きっと高貴な者と庶民との恋愛をクール且つちょっぴり陰惨に描く、イジイジした映画なんだろうな」と勝手にイメージし、興味を失っていった。

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 ところが、日本映画専門チャンネルに番宣を兼ねて斉藤工がゲスト出演した番組を観てしまって、そこで予告編よりちょっと長めの映像に、番組の出演者が説明を加えていくうちに、実はこの映画、コメディータッチで、主人公の綾瀬はるかの妄想癖がそのまま登場人物のコスプレとなる過剰な演出もあることを知り、クールどころか、直球ど真ん中のエンターティメント作品であることを知らされた。まるで同じ綾瀬が主演した『ひみつのアッコちゃん』のように……

 この番組を観て、俄然本作に興味を持てたし、コレならば「いっそ斉藤工をはじめとするコスプレ姿を全面に配した賑やかなチラシデザインにすれば、もっと一般の客にも興味を抱かせることが出来るのに……」なんて思ったよ。

 思えば『テルマエ・ロマエ』にしたって、阿部寛を始め日本の俳優が多少のメイクはするにせよ、まんまローマ人を演じるという設定を知っただけで、あたかも『大巨獣ガッパ』や『キングコング対ゴジラ』で邦人俳優に黒塗りを施して南洋の住民と言い張る往年の演出のような気がして、はなから食指が動かなかった。しかしたまたま観てみたら、面白いのなんのって……もっとどんな映画か掘り下げてみるべきだったと後悔したものだ……

 こんな訳で、やっぱり映画は“食わず嫌い”では駄目だ、ということを痛感している。巷の噂であったり、ネットの心ない書き込みだったり、チラシのビジュアルだったり、そんな僅かな情報で即座に映画の善し悪しを決断してはいけない。最初から「観る」という門戸を閉ざすのではなく、より多くの映画を“喰って”やろうと“雑食”で臨むのが好いだろう(劇場鑑賞でもDVDレンタルでもTV放映でも)。それにストーリーのある映画は、どんなテーマでも大抵最後まで楽しませてくれるものだ。

 そんなわけで、やはり“食わず嫌い王”であってはいけないと肝に銘じた次第………